「咲かない花」をつけるランの仲間はつぼみの中でめしべに花粉がつく「自家受粉」だけで繁殖していることを突き止めたと神戸大学などの研究チームが発表した。鹿児島県の離島に生息する「タケシマヤツシロラン」と「クロシマヤツシロラン」は暗く湿った林の中で育つ植物で、筒状のつぼみをつけるが、花を咲かせないことが知られている。神戸大学などの研究チームはこれらの植物が「咲かない花」をつけるのは、つぼみの中でめしべに自らの花粉がつく「自家受粉」だけで繁殖しているためだと見て、遺伝子を詳しく解析。その結果、複数の個体の遺伝子の型が同じであることや他の個体との交雑が見られないことなどが分かり、「自家受粉」だけで繁殖していることが突き止められたという。