きのう、番組は作家・杉山響子さんを取材した。母は「戦いすんで日が暮れて」で直木賞を受賞、ベストセラー「九十歳。何がめでたい」の著者・佐藤愛子さん。今年4月、102歳で亡くなった愛子さんは晩年認知症となり、二世帯住宅で暮らす杉山さんが介護してきた。衰え記憶を失っていく母と記憶の中にある母との濃密な思い出を娘視点で描いたエッセイは10万分超えと反響を呼んだ。杉山さんは母の存在を「お嬢さま育ちのジャイアン」と語った。母・愛子さんは鋭く社会を批評する姿勢から“憤怒の作家”、“怒りの佐藤”とも呼ばれた。母の認知症の症状で“小さい女の子”になっているときがありショックを受けたという杉山さんは「私の知らない母。その時点で私の母はなくなっていた。私と築いてきた歴史も消えているし、私の知らない女の子がいたっていう感じ」と語った。母・愛子さんは現実の世界と記憶の世界を行き来するようになったという。愛子さんにとって最も大切な場所・書斎。杉山さんは寝る時間が増え床ずれが起きやすくなっていた母のため介護用ベッドを書斎に設けた。杉山さんは「『嫌だ』と言っていた。介護用のベッドになると病室みたいになる。一気に『ここは病院だ』という妄想になった。病室ってなった途端に永遠に目が覚めない。よかれと思ってしたことが母の認知症を進行させてしまった」と語った。杉山さんの中に正しくても消えない罪の意識が芽生えたという。
