100年の間刻まれてきた高校野球の歴史。原点は甲子園ではなく豊中グラウンドで行われた。開催を知らせる新聞には初めて野球を見る人のための観戦ガイドが掲載された。当時野球はまだ国民的スポーツではなかった。大会初日第1試合は鳥取中-廣島中、始球式のあと第1球を投じたのが鳥取中の鹿田一郎投手だった。残っていた音声ではじゃんけんで偶然で決まったという。緊張の中の一球が球史の幕を開けた。この試合から同じく始まったのがホームベースを挟んで行う一礼、勝敗を競うだけでなく相手を尊重し真摯に野球に取り組む、今ではおなじみの光景も100年前に始まった。球児が追いかけたボールは保存され甲子園球場に展示されている。白球に込める思いは今も変わらない。