公共インフラへの投資は2000年代に入って年平均8%という中国の高いGDP成長率をささえてきたが、それが地方政府に総額1800兆円余の債務を負わせ中国経済にとっても大きなリスク要因となっていた。債務比率が最も悪い地域の一つである貴州省の貴陽を訪ねた。超高層ビルが建っていたが、かつてここは中国の中でも最も貧しい地域の一つだった。貧困からの脱却を目指す中央政府の掛け声のもと、地元政府は住民を立ち退かせて都市開発への投資を加速させた。融資平台によるインフラ開発などでGDPを押し上げてきたが、不要な橋や車の通らない道路などがあちこちに作られていた。車が通らないため道路を農地代わりに使っている農家もいた。工事が中断されたまま放置されたビルも少なくなかった。