デビュー60周年の千昌夫が登場。小さい頃に父親と死別し、母親は朝から夜遅くまで働いていた。千は力士を夢見ていたが、中学時代に身長が伸び悩んだことで諦めたという。ある時、風呂場で歌っていたところ、思いの外、美声だと思い込み、歌手になる方法を調べた。持っていたレコードの多くを遠藤実氏が作曲し、雑誌には同氏の住所が掲載されていた。千は遠藤氏に弟子入りするべく、自宅を訪問。お手伝いさんから門前払いをくらうも、3日連続で足を運んだ。遠藤夫人が夕食をつくろうとしていて忙しく、「明日の午後に来るように」という言質を取ったという。千は遠藤氏と対面を果たすも、礼儀がなっていないと叱られ、歌声を披露する際には遠藤氏が作っていない曲をチョイスしてしまった。すったもんだあり、遠藤氏は「学校を卒業したら、来るように」と内弟子を認めた。だが、千はすぐさま退学届を出し、親の承諾書は同級生の親に代筆を依頼。荷物も遠藤氏の家に送りつけた。遠藤氏は面会のお礼でも入っているのかと思っていたという。