米不足についての解説。今回の価格高騰の背景には米不足があると指摘されている。現在日本で1年間に消費される米は1人あたり51kgでピーク時の半分以下。生産量もピークのときから半分以下に。これは1970年から始まった減反政策によるもの。減反政策は2018年に廃止されたが、それ以降も食用の米を作る代わりに飼料用や輸出用の米を作ると補助金が支給される制度があるため、転作が進んでいる。今回政府は21万トンの備蓄米の放出を決めたが、そのウラで飼料用に74万トン、輸出用に5万トンの米が作られているという。そんな中、政府は輸出用の米を増産し2030年までに去年の7倍ほどの35万トンを輸出する方針を打ち出した。不足時は国内で流用することを視野に入れている。一方で構造的な問題もある。米作りの所得は2023年で10万円未満であり、米農家の数も7分の1に。後継者不足で平均年齢も69歳となっている。こうした現状に鈴木教授は「日本の稲作はあと5年もすれば崩壊する危機にある。国内の安定供給を維持するための米農家へのテコ入れが急務」などと指摘している。