中国の習近平国家主席が11年ぶりにアメリカを国賓として訪問し、トランプ大統領とことし2回目となる米中首脳会談を行った。もともとアメリカ経済への悪影響を恐れるトランプ大統領は中国との対立を避ける代わりに大きな進展も望めないとした事前の観測が大勢を占めていたが、会談の実質的な成果の乏しさに野党民主党だけではなく与党共和党からも批判や当惑の声があがっている。米中それぞれが発表した主な成果をまとめると、“貿易休戦”の期限を来年1月10日まで延長し互いの関税引き下げやアメリカから中国への石炭輸出を拡大する方針などが盛り込まれた。また、世界的に安全性をめぐる議論が高まるAIはアメリカ側の希望で今後はスーパーインテリジェンスと呼び名を変えて、両国の意思疎通を図る対話の新たな枠組みを設けるとしている。さらに両首脳はアメリカと中国が第2次世界大戦で“同盟国として戦った”ことを振り返ったとしている。台湾をめぐる問題については米中どちらの成果文書にも記されていない。両首脳は11月に中国で開かれるAPEC、12月にアメリカで開かれるG20首脳会議にそれぞれ出席する意向だとしている。トランプ大統領は中間選挙後年内2回の再会談まで合意を先延ばしして時間を稼いだ形。これに対して中国側は大きな成功を納めたと受け止めている。建設的戦略安定関係を再確認しながらアメリカに“対等の大国”と認めさせたという点で中国の国内メディアも歴史的な会談だったと持ち上げている。
トランプ大統領が周囲を驚かせるほど中国に融和的だったのは投票日まで6週間を切った中間選挙で共和党が苦戦する構図が浮かび上がってきた焦りがあるから。中間選挙は通常政権支持率が大きく影響するが、最新の世論調査でトランプ政権の支持率は32%。2期目で最低の水準に落ち込んでいる。有権者の関心が最も高い生活費高騰をめぐり政権の対応を評価すると答えた人は17%にとどまった。イランとの戦争終結に向けた交渉は行き詰まり原油価格の高騰でガソリン価格も高止まり。軽油は史上最高値に跳ね上がり家計と農業や他の産業も直撃している。どちらの政党に投票するか尋ねると今のところ民主党の優成がはっきりしている。共和党の地盤でも接戦に持ち込まれ、上下両院で多数派の座を失いかねないとの見方が出始めている。窮地を挽回しようとトランプ大統領は中国によるアメリカ産農産物の購入拡大を求めて農家は喜ぶだろうとアピーするすが、選挙戦の巻き返しにつながるかどうかは定かではない。
習近平指導部は台湾問題を核心的利益の中の核心と強調している。来年秋の党大会で4期目に突入したい習主席にとっては誰もが納得できる高い権威が必要で、台湾の統一から少しでも後退するような印象を与えることは避けたい考え。事前の調整で中国側はトランプ大統領に台湾独立に明確に反対することや台湾への武器売却を停止するよう求めていたと伝えられている。今回は中国側の要求を飲まなかったとみられるが、台湾ではアメリカが守ってくれないのではないかといつ不安もくすぶっている。習指導部はそうした不安が台湾で広がること自体を狙って今後も繰り返しトランプ大統領に台湾問題を持ち出す構えだとみられる。
アメリカ政府の高官によると今回の会談でトランプ大統領は「中国によるイラン支援は容認できない」と重ねて伝え、習主席は「支援はしない」と確約したという。アメリカの当局者には中国からイランに軍事転用可能な部品や情報が渡っているとの疑念が根強くあり、中国は事実上イラン産原油の最大の輸出先にもなっている。イランとの交渉が暗礁に乗り上げたまま11月の中間選挙が終われば、トランプ大統領がイラン攻撃を再開するのではないかという観測もある。習主席が帰国した直後、国連総会で演説した韓正国家副主席は「一方的な軍事行動には反対」と述べた。米中関係には火種が多数ある。習主席は来年の共産党大会まではアメリカとの関係を安定させ内政に集中したい考え。習指導部は今、トランプ大統領を御しやすいと考えているかもしれない。トランプ政権が中国と接近することで難しい立場に立たされているのが日本だ。日本独自のしたたかな外交や安全保障戦略がこれまで以上に重要になりそうだ。
トランプ大統領が周囲を驚かせるほど中国に融和的だったのは投票日まで6週間を切った中間選挙で共和党が苦戦する構図が浮かび上がってきた焦りがあるから。中間選挙は通常政権支持率が大きく影響するが、最新の世論調査でトランプ政権の支持率は32%。2期目で最低の水準に落ち込んでいる。有権者の関心が最も高い生活費高騰をめぐり政権の対応を評価すると答えた人は17%にとどまった。イランとの戦争終結に向けた交渉は行き詰まり原油価格の高騰でガソリン価格も高止まり。軽油は史上最高値に跳ね上がり家計と農業や他の産業も直撃している。どちらの政党に投票するか尋ねると今のところ民主党の優成がはっきりしている。共和党の地盤でも接戦に持ち込まれ、上下両院で多数派の座を失いかねないとの見方が出始めている。窮地を挽回しようとトランプ大統領は中国によるアメリカ産農産物の購入拡大を求めて農家は喜ぶだろうとアピーするすが、選挙戦の巻き返しにつながるかどうかは定かではない。
習近平指導部は台湾問題を核心的利益の中の核心と強調している。来年秋の党大会で4期目に突入したい習主席にとっては誰もが納得できる高い権威が必要で、台湾の統一から少しでも後退するような印象を与えることは避けたい考え。事前の調整で中国側はトランプ大統領に台湾独立に明確に反対することや台湾への武器売却を停止するよう求めていたと伝えられている。今回は中国側の要求を飲まなかったとみられるが、台湾ではアメリカが守ってくれないのではないかといつ不安もくすぶっている。習指導部はそうした不安が台湾で広がること自体を狙って今後も繰り返しトランプ大統領に台湾問題を持ち出す構えだとみられる。
アメリカ政府の高官によると今回の会談でトランプ大統領は「中国によるイラン支援は容認できない」と重ねて伝え、習主席は「支援はしない」と確約したという。アメリカの当局者には中国からイランに軍事転用可能な部品や情報が渡っているとの疑念が根強くあり、中国は事実上イラン産原油の最大の輸出先にもなっている。イランとの交渉が暗礁に乗り上げたまま11月の中間選挙が終われば、トランプ大統領がイラン攻撃を再開するのではないかという観測もある。習主席が帰国した直後、国連総会で演説した韓正国家副主席は「一方的な軍事行動には反対」と述べた。米中関係には火種が多数ある。習主席は来年の共産党大会まではアメリカとの関係を安定させ内政に集中したい考え。習指導部は今、トランプ大統領を御しやすいと考えているかもしれない。トランプ政権が中国と接近することで難しい立場に立たされているのが日本だ。日本独自のしたたかな外交や安全保障戦略がこれまで以上に重要になりそうだ。
