鹿児島水産高校の入学式では真新しい制服姿の127人が拍手で迎えられた。初々しい新入生の中に堂々とした風格の生徒が。鹿児島・南さつま市出身の鮫島耕児さん(68)。創立115年の水産高校史上最高齢の新入生。1974年にこの水産高校の漁業科を卒業。全国各地で航海士や船長として働き3年前に退職。その後、苦手科目を「学び直したい」と一念発起し、53年ぶりの受験勉強を開始。この春合格、母校に戻る。鮫島さんは「校歌を覚えていて1番は見ないで歌えた。高校生になったのだと実感した」と話した。担任の先生は自分の息子や娘と同世代の30代。そして50歳以上離れたクラスメイトたちは「びっくりした。入試のときは先生の試験かと思った」と話した。鮫島さんは「若い子といると良い影響を受ける。そういう経験もしたい」と話した。