吉野源三郎の小説「君たちはどう生きるか」で、クラスのいじめに悩む潤一におじさんは「自分で考えるんだ」と告げた。意外な言葉に潤一は戸惑った。おじさんがノートに書いたメッセージは「言われたとおりに行動し教えられたとおりに生きてゆこうとするならばいつまでたっても一人前の人間になれない」。その後いじめを見て見ぬふりをしていたクラスのみんなが大きな塊になっていじめっ子に襲いかかったが、いじめられていた浦川くんが止めた。このときのおじさんのメッセージは「肝心なことは世間の目よりも人間の立派さがどこにあるかを魂で知り、良いこと悪いことを自分の信念で判断すること」。なんでも教えてくれるおじさんだったが「君はある大きなものを日々生み出している、それは何だと思う?」という問の答えだけは明かされなかった。吉野源三郎が一番訴えたかったことは、決して周りに流されず自分の信念のもと自分で考えることだった。