大学2年生の庭田杏珠さんは、戦争の記憶が失われたつつある今、新しい方法で当時の記憶を語り継ごうとしている。庭田さんが見せてくれた白黒写真には爆心地区に暮らしていた家族の写真。奇跡的に残った写真をデータ化してパソコンに取り込む。AIソフトを使って自動的に白黒からカラーに変えることができる。カラー写真をきっかけに平和に想いをはせてほしいと庭田さんは色彩を駆使する若き平和の語り部。庭田さんはさらに本物の色に近づけたいと写真に写る本人にも会いに行った。写真に写っていた濱井徳三さんから話しを聞く。庭田さんがカラー化写真を通して伝えたいのは戦争の恐ろしさを想像すること。白黒写真とは違うリアリティを感じることができる。庭田さんは広島出身で幼いころ、平和学習に参加していた。小学5年のときに平和学習のパンフレットに原爆前の写真を見て、人々の生き生きとした姿を見た。庭田さんな東京大学の渡邉英徳教授からカラー化の技術を教わり、約350枚のカラー化写真を集めた写真集を作成した。異例の6万部を超えるベストセラーになった。庭田さんは展示会を開いた。会場に来てくれた戦争を体験していない人たちからは様々な意見があった。カラー化写真を見ながら戦争体験者と話す取り組みもしている。