スポーツクライミングに関する解説。東京五輪から正式種目として採用された。東京の時はボルダー・リード・スピードの全てで複合1種目だったが、今回からボルダー・リードの1種目と、スピードの1種目でそれぞれに分かれた。ボルダーは高さ4.5メートルの壁に設けられた4つの課題をロープなしで登る。準決勝は5分間、決勝は4分間という制限時間の中で何度でも挑戦ができる。「筋力」「バランス力」「思考力」など様々な能力を駆使するということで「体を使ったチェス」と呼ばれている。そしてリードは「どの高さまで登ることができたか」を競う。高さおよそ15メートルの壁をロープを使いながら6分以内に登った高さを競うものである。準決勝と決勝それぞれ挑戦権は1回のみで持久力を求められる種目である。そんな種目で準決勝トップの成績をたたき出したのが安楽宙斗選手(17)。去年W杯に初めて参戦すると優勝を含めて表彰台を連発して、シーズン終了時にはボルダー・リードの両方で年間王者に輝いた。安楽選手の強みは力を使いすぎず重心移動をうまく使って巧みに登る「脱力登り」だという。指導する田中コーチによると「幼いころに身に付けた自然体の登りを今も体現している」とコメントしている。安楽は身長168cmだが、両腕を伸ばした時のリーチは180cmを超えるという。