資生堂・森下薫研究員は、ある力で資生堂の品質を支えている。資生堂では工場で製造した製品が正しい香りや色、質感であるかなどを確認する官能検査を実施している。それを行うのが社員の5％以下しかいないという五感のプロフェッショナル「官能パネラー」。中でも森下さんは30年以上のキャリアを持つ嗅覚のスペシャリスト。ハーモナージュとは不快な香りに良い香りを入れてごまかすのではなく、不快な香りそのものを材料の1つとして使い、良い香りを完成させるというもの。森下さんは官能パネラーとしてだけでなく香りを作る調香師としての顔も持ち100種類以上の香りを嗅ぎ分けることができる。そんなプロフェッショナルな仕事に支えられている資生堂だが、課題もある。現在、韓国コスメの輸入額はおよそ960億円と7年前から6倍以上に増加している。資生堂は発信力に課題を感じている。そんな中、今週ブラジルで行われたのは世界のトップメーカーなどが一堂に会した化粧品技術に関する研究発表会。680を超える研究報告の中から肌のシミに関する発表が最優秀賞を獲得した。資生堂はこの高い研究力と官能パネラーによって保たれる高品質な製品を、より多くの人へアピールしたい考え。