「IPビジネス」とは、キャラクターなど知的財産を使ったビジネスのこと。近年IPビジネスの売り上げは大きく伸びている。日本はポケモンなど、IPビジネスに強い国のひとつ。今回はそんな「IPビジネス」について紹介する。
IP(知的財産)とは、特許権、著作権、商標権など、クリエイティブな活動によって生み出された権利を持つものを指す。IPビジネスの始まりは19世紀のヨーロッパ。当時のオペラは小説や戯曲を無断で書き換えて上演しており、原作者の不満が溜まっていた。そこでフランス人作家のヴィクトル・ユーゴーは訴訟を起こし、原作者の権利を訴えた。また、国債文芸協会という権利保護のための団体も立ち上げた。1886年、世界初の著作権の国際条約「ベルヌ条約」が成立し、原作者の権利が認められた。以降、クリエイターは著作権で収入が得られるようになっていった。その50年後、ウォルト・ディズニーは、ミッキーマウスのアニメの制作費を稼ぐため、ミッキーマウスのグッズ化を行った。その際、優良な大手企業からグッズを販売することで、キャラクターをブランド化し価値を向上させることに成功した。こうしたウォルト・ディズニーの取り組みは、現代IPビジネスの先駆けとなった。現在、IPビジネスで大きな成功を収めているのはアメリカのマーベル。1996年には会社存続の危機を抱えていたマーベルだが、起死回生の一手として「マーベル・シネマティック・ユニバース」(2008年に全米公開された映画「アイアンマン」から始まる人類を守る最強ヒーローたちを描く映画などの作品群)を立ち上げ、大成功した。成功の要因はその世界観にあるとされる。普通は別々の作品に登場する人気キャラクターを、1つの作品に集結されることで、その魅力を増大させた。日本もIPビジネスに強く、日本のIPビジネスの年間売上は2.5兆円となっている。アメリカに次ぐ2位の規模を誇る。日本がキャラクターIPに強い理由は、漫画の市場規模が大きくキャラクターが生まれやすい環境や、そもそもキャラクターを好きな人が多い国柄であるということなどがある。また、IPビジネス急成長の理由には、コンテンツのデジタル化によるオンライン展開の拡大で1つの国だけでなく世界中で楽しめるようになったことや、動画配信サービスやSNSの普及・発達などがある。今、「クリエイターエコノミー」の市場規模も拡大中で、その理由には、クリエイティブを生むためのデザインや動画・音楽編集ソフトの普及や、SNSの発達で個人でも多くの人にコンテンツを届けられるようになったことなどがある。クリエイターエコノミーにはまだまだ伸びしろがあり、これまではニッチすぎてビジネスにならなかったジャンルにもチャンスがある。ただ、個人のクリエイターの場合は会社所属のクリエイターと異なり、自ら契約などの専門知識を学んでいく必要があり、トラブルに巻き込まれやすい。専門知識を学び、時には専門家を頼ることも必要。
IP(知的財産)とは、特許権、著作権、商標権など、クリエイティブな活動によって生み出された権利を持つものを指す。IPビジネスの始まりは19世紀のヨーロッパ。当時のオペラは小説や戯曲を無断で書き換えて上演しており、原作者の不満が溜まっていた。そこでフランス人作家のヴィクトル・ユーゴーは訴訟を起こし、原作者の権利を訴えた。また、国債文芸協会という権利保護のための団体も立ち上げた。1886年、世界初の著作権の国際条約「ベルヌ条約」が成立し、原作者の権利が認められた。以降、クリエイターは著作権で収入が得られるようになっていった。その50年後、ウォルト・ディズニーは、ミッキーマウスのアニメの制作費を稼ぐため、ミッキーマウスのグッズ化を行った。その際、優良な大手企業からグッズを販売することで、キャラクターをブランド化し価値を向上させることに成功した。こうしたウォルト・ディズニーの取り組みは、現代IPビジネスの先駆けとなった。現在、IPビジネスで大きな成功を収めているのはアメリカのマーベル。1996年には会社存続の危機を抱えていたマーベルだが、起死回生の一手として「マーベル・シネマティック・ユニバース」(2008年に全米公開された映画「アイアンマン」から始まる人類を守る最強ヒーローたちを描く映画などの作品群)を立ち上げ、大成功した。成功の要因はその世界観にあるとされる。普通は別々の作品に登場する人気キャラクターを、1つの作品に集結されることで、その魅力を増大させた。日本もIPビジネスに強く、日本のIPビジネスの年間売上は2.5兆円となっている。アメリカに次ぐ2位の規模を誇る。日本がキャラクターIPに強い理由は、漫画の市場規模が大きくキャラクターが生まれやすい環境や、そもそもキャラクターを好きな人が多い国柄であるということなどがある。また、IPビジネス急成長の理由には、コンテンツのデジタル化によるオンライン展開の拡大で1つの国だけでなく世界中で楽しめるようになったことや、動画配信サービスやSNSの普及・発達などがある。今、「クリエイターエコノミー」の市場規模も拡大中で、その理由には、クリエイティブを生むためのデザインや動画・音楽編集ソフトの普及や、SNSの発達で個人でも多くの人にコンテンツを届けられるようになったことなどがある。クリエイターエコノミーにはまだまだ伸びしろがあり、これまではニッチすぎてビジネスにならなかったジャンルにもチャンスがある。ただ、個人のクリエイターの場合は会社所属のクリエイターと異なり、自ら契約などの専門知識を学んでいく必要があり、トラブルに巻き込まれやすい。専門知識を学び、時には専門家を頼ることも必要。