国立健康危機管理研究機構はかぜに抗菌薬(抗生物質)が効かないとしている。抗菌薬の副作用は下痢・発疹などがあり、薬剤耐性菌のリスクもある。かぜに抗菌薬が効かないと知っていた人は25.9%。一方、東京大学などによって2022年からの1年間で行われた調査では、かぜの17.5%に医師が抗菌薬を処方していた。こうしたかぜの抗菌薬に年間60億円以上の医療費が使われている。ことし8月には抗菌薬を処方しても社会保険診療報酬支払基金の請求を原則認めないという見解を公表。かぜは鼻水・のど・せきの3症状が同程度・同時期に出てくる。ウイルスが原因のため7~10日程度で自然に治る。かぜ薬は症状を和らげるもの。細菌感染までしてかぜをこじらせたら医療機関へ。かぜ以外の可能性が疑われるのは、38度以上の光熱が3日以上続く場合や食事ができないほどのどが痛い場合、せきが10日以上続く場合など。医師に求められるのは、考えられる病気・薬について説明すること。患者側は、いつからどのような症状か、熱は何度か、困っていることを医師に伝えてほしい。