今回は放送記者が書く「裁判傍聴記」を特集。サイト「TBS NEWS DIG」の「深堀りDIG」のコーナーにはテレビではあまり報じられない法廷での裁判の内容が記事として掲載されている。放送局社会部の高橋記者とジャーナリストの江川紹子さんに話を聞く。高橋記者がNEWS DIGに掲載した記事の1つを紹介。タイトルは「55歳母親を暴行しさせた37歳男は”ヤングケアラー”だった 10歳から家事に追われた男と母親の『狂気の関係』」。糖尿病とうつ病を患う母親を7日間にわたって暴行し死なせた37歳の男は10歳の頃から家事を一手に引き受けていたヤングケアラーで、母親の態度に腹を立てて暴行に至ったと裁判で証言。男性の妹は法廷で「母親の良い思い出はない。誰かに相談はできなかった。そういう力がなかった。幼少期に兄がいてくれて本当に助かった」と発言した。江川さんはこの事件の記事について「妹さんの証言の中でですね、相談したりSOSを発信することができなかったっていうふうに言ってますよね。子どもはそういった能力がなかったりするでしょう。そういう時にじゃあこの社会の方はどうしたらいいのかっていうそういうものも考えさせることだったと思うんです。報道っていうのは視聴者とか読者の受け手がいろんなことを考える材料を提供することだと思うんですよね。そういう要請に非常に応えた記事じゃないかなっていうふうに思いました」と評価した。