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「Worlds Chat/J」 のテレビ露出情報

今回の黒歴史の舞台となるのは1900年の創業の老舗印刷会社・凸版印刷。インターネット黎明期の1993年、印刷業の先行きに不安を抱いた凸版印刷は当時29歳の藤沢修率いるマルチメディア事業部を立ち上げることに。印刷業界ではDTPが普及していたこともあり、凸版印刷の社内にはまだ少なかったデジタルに詳しい人材が多数在籍していた。藤沢はこうしたデジタル人材の技術を結集し、インターネット上に仮想の街を作るというプロジェクトを立ち上げる。こうして1994年に生まれたのが「サイバーパブリッシング」で、これはインターネット上のショッピングモールにスポンサー企業の看板を掲示し、ユーザーがそこから各企業のホームページへアクセスできるという代物だった。
仮想ショッピングモールは予想通りに活況となり、この成功に気を良くした藤沢は社内でも指折りのCGエンジニア、中山香一郎を招聘し3D仮想空間の実現を目指すことに。この3D仮想空間には中山の提案でリアルタイムチャット機能が盛り込まれ、1996年に「Worlds Chat/J」としてリリースされる。この「Worlds Chat/J」はユーザーが自分のアバターを介して3D仮想空間を探索し、そこからスポンサー企業のホームページにアクセスしたり、同じユーザーとチャットを楽しむことが出来るという画期的なサービスだった。この出来栄えに気を良くした藤沢は「ユーザーが増えれば企業からの広告収入を得ることができる」と考え、課金機能はあえて導入しなかった。
「Worlds Chat/J」は藤沢の目論見通りに大盛況となり、時には会社のサーバーがダウンすることも。しかし、その人気と共にユーザー間の揉め事も増加し、会社には苦情が殺到する事態に。BtoB企業である凸版印刷はこうした一般客の対応に奔走したという。
紆余曲折ありながらも人気を博していた「Worlds Chat/J」だが、藤沢は広告が見られていないことに気付く。これは課金システムを導入せず、企業からの広告収入に頼っていた「Worlds Chat/J」にとっては死活問題だった。それもそのはず、ユーザーたちは無料チャットに明け暮れるだけで広告には目もくれていなかったのである。事態を打開するため、藤沢はオフ会の開催やユーザー同士の親睦会を開催するなど様々な策を弄する。しかし、携帯電話の爆発的な普及に伴い、リアルタイムチャットは一気に下火に。ユーザーの減少と共に「Worlds Chat/J」は忘れ去られていったのである。
「Worlds Chat/J」の終焉から30年後、現在の凸版印刷は印刷業で培った高い画像処理技術を生かしたVR事業を新たな柱として掲げている。インターネット黎明期に生まれた「「Worlds Chat/J」」は新たな形に進化し、会社の新たな挑戦の土台へと昇華されたのである。

他にもこんな番組で紹介されています…

2023年10月21日放送 10:30 - 11:00 テレビ東京
週刊ビジネス新書〜明日から使えるビジネスのヒント(週刊ビジネス新書)
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2023年9月20日放送 23:00 - 23:30 NHK総合
神田伯山の これがわが社の黒歴史神田伯山の これがわが社の黒歴史
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