宮城・丸森町の工房「マメムギモリノナカ」ではミツバチが巣を作るために分泌する「ミツロウ」を活用して食品用ラップを作っている。蜜蝋はリップクリームやハンドクリームなど、保湿剤として使われるもので野菜を包むと乾燥から守ってくれるという。手の熱で柔らかくなるのが特徴で、おにぎりを包んだり、器のふたとしても使える。プラスチックのラップとの大きな違いはごみが出ないこと。半年から1年ぐらいは洗って使うことができ、最後は土に埋めると土に還る。代表の山下さんは4年前に宮城・仙台から丸森町に移住し、丸森ならではの商品を作るために注目したのがミツロウだった。地元の養蜂園で年間100ｋｇほどとれるミツロウを有効活用できる提供先を探していた。セラピストの経験がある山下さんは使い慣れた素材のミツロウで日本であまり流通していないミツロウラップを作ろうと思いついた。完成した「tsu tsu mi」はデザインにも丸森らしい自然のモチーフや自分自身が体験したカヌーのモチーフが使われ、地域の人にもデザインをしてもらったという。山下さんは町外のイベントにも参加し、地元の自然資源を広めたいと発信を続けている。