プーチン大統領の再選が確実視されているが、戦争が早く終わってほしいと望む声は聞かれ、若者を中心に軍事侵攻に反対する人たちも一定数いる。それでもロシア軍の行動に賛同し、ロシアが勝利することは幅広く国民が支持しているという。こうした支持についてロシアの独立系世論調査機関の専門家は、プーチン政権の強力なプロパガンダや情報統制で、軍事侵攻の負の影響を感じさせないようにしているからだと分析している。プーチン再選後のロシアについて、対外的にも国内でも強行ぶりがさらに加速するものとみられるという。今回の選挙でも、一方的に併合した4州で選挙だとする行動を強行していて、ロシア支配の既成事実化を一層進めようとしている。また投票日の翌日となる3月18日は、ロシアがウクライナ侵攻に乗りだしたクリミアの併合から10年の節目にあたる。この日モスクワでは、大規模な集会も計画されていて、プーチン大統領はこの場で選挙での勝利とともに、国民の総意を得たとしてウクライナへの攻撃姿勢を強めていくものとみられる。一方国内では反対勢力の取り締まりを強化することも考えられる。すでにロシアで憲法が改正されていることから、プーチン氏は今後最長でさらに2期の2036年までの長期政権の道も見えてくる。