久米島の伝統工芸品として知られる久米島紬。中でも特別なのが泥を使って染められる「黒物」と呼ばれる生地で、個体差のある植物繊維で同じ色を出すには長年の経験が必要だという。染料は島に自生する木の根や皮などで、煮出した染料に糸を漬け込んで茶褐色の下地を作っていく。その後に鉄分を含んだ泥で染め上げることで、植物のタンニンと鉄分が黒い色を生み出すのだ。泥に漬け込んだ糸は天日干しにしてから川の水で洗い流すことで完成する。島の恵みと住民の協力によって、久米島紬は現在まで息づいている。
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