ハンガリーのブタペストで今、トランプ前大統領と政治信条の近い欧米の「保守」の政治家達による、政治集会が開かれている。今年は6月に欧州議会選挙が、11月には米大統領選挙が行われる。それぞれの選挙で保守政党が連携して躍進することで、欧米で”従来の政治を変える”と声を上げている。トランプ氏は集会にビデオメッセージを送った。CPACの欧州版として開かれた今回の集会を主導するのはハンガリーのオルバン首相。4期連続で首相を務めるが、難民への排外的姿勢でEUと対立し、加盟国への補助金の一部を凍結されている。さらにロシア寄りの姿勢でEUのウクライナ支援にも反対し物議を醸し続けている。一方でトランプ氏とは親密な関係を築き、EU内での影響力を高めようとしている。オルバン首相が目指すのは”自国民の利益を最優先する主権国家”で、これを認めないEUの方針は変えなければならないと訴えている。今懸念されているのは、オルバン首相の主張に近い右派や極右政党が、物価高騰などによる国民の不満を背景に欧州で勢いづいていることだ。オルバン首相は反EUの姿勢を強めるこうした政党と連携して欧州議会選挙で勢力拡大し、トランプ氏の返り咲きに期待をかける戦略とみられる。