航空会社大手・ANAでは今月から新たな子供運賃となる「小児ディスカウント」を導入した。日付・路線などで異なっていた割引率を一律で25％とする。しかしこの「小児ディスカウント」はこれまでよりも割高になってしまう場合があるという。例えば出発直前に購入すると大人運賃から50％の割引となっていたが、25％しか割り引かれなくなる。なぜいま子供運賃の見直しに踏み切ったのか。そこには割引率を一律にすることで運賃体系をシンプルにして早期予約購入を促したい狙いがある。実は今、交通業界で子供運賃を一律化する動きが相次いでいる。小田急電鉄はおととしICカードを利用した場合、子供の運賃が一律50円になるサービスを始めた。最も長い新宿－小田原間で410円の割引となる。運賃一律50円の開始に合わせ「子育て応援車」を導入。「子どもが泣いても温かく見守る」というコンセプトで、子育て世帯が安心して利用できる環境を整えた。また、駅前では家族向けのイベントも開催。子どもの利用に力を入れる理由について交通企画部の佐藤課長は「長期的な視点でいかにファミリー世帯・若年層に沿線に住んでもらうか。小さい頃から小田急沿線を楽しんで愛着を持ってもらいたい」と話す。さらに小田急線は江の島や箱根など観光地野での利用も多い沿線。でかけやすい運賃で子供連れの利用機会を増やそうとしている。一方、名古屋市内を走行するタクシーで学校帰りの小学生が向かったのは子供向けの英会話教室。この教室では子どもを夜まで預かり学童保育も手掛けているが、送迎バスがないため保護者が希望した場合は学校からの迎えにタクシーを使っている。利用しているのは「つばめタクシー」の「キッズタクシー」というサービス。子供だけで乗る場合、一律10％が割引となる。週100件の利用があるそうだが、ドライバーの運転マナーを向上させる効果も出ているという。