スポヂカラ! 10min (スポヂカラ! 10min)
長野県東御市には標高1750メートルの湯の丸高原に作られた高地トレーニング施設がある。中でもプールは日本で唯一、東御市にしかない施設。酸素濃度は麓の80%ほど。低酸素の環境で行う高地トレーニングは心肺機能が高まり、トップ選手には欠かせない練習になっている。町の人にとってはオリンピック選手を身近に感じられると評判だ。かつて湯の丸高原はスキー客などが年間75万人訪れる東御市最大の観光地だった。しかし、観光客はピーク時の3分の2まで落ち込んでいた。日本水泳連盟は国内の高地トレーニング施設を求めていた。2013年、施設の建設へと動き出した。東京オリンピックの開催が決まったことも後押しとなった。計画から6年、日本初の高地トレーニング用プール要する施設が完成した。しかし開業直後、新型コロナウイルスが蔓延した。それでも東御市は2か月で営業を再開。人里離れたこの場所であれば感染対策を徹底することで選手たちを受け入れられると考えた。こうして競泳チームはトレーニングに専念することができた。大橋悠依は金メダル2つを獲得した。今では海外のアスリートも合宿に訪れるなど高地トレーニングの聖地となった。