“私たちの映像”が喪失する前に ~デッドラインは2025年~

2024年7月3日放送 4:05 - 4:14 NHK総合
視点・論点 (視点・論点)

ビデオテープなどの磁気テープはフィルムよりも安価で映像を音声を1本のテープに同時に記録でき、繰り返し録画できるビデオテープは1970年代以降メインユーザの放送業界だけでなく、民俗学や人類学、歴史学・音楽・スポーツなど広範な分野の調査や記録・分析にも活用されてきた。1980年代には家庭にも普及した。磁気テープに記録された音声や映像について、2025年までにデジタルファイル化しなければ二度とアクセスできなくなる可能性が高いという計画“マグネティック・テープ・アラート”をユネスコが2019年に発した。最大の理由は再生機器がなくなること。第2に経験豊かな技術者がいなくなること。第3にデジタル化の予算を確保することが難しくなること。
この問題の周知と磁気テープコレクションの情報収集を目的とした調査では、該当者の29%がデジタルファイル化を計画しておらず、44.8%の組織が計画していても十分な資金がないという状況だった。膨大なビデオテープから大切な映像のデジタルファイル化を進めるためにアメリカ議会図書館などでは個人向けのマニュアルやガイドラインをHP上で公開している。大事なことは、残したい映像と優先順位を決めること。次に映像のファイル形式と保存メディアを決め、高解像度と低解像度・高圧縮のファイル2種類を作成し、ファイルは異なる種類のメディアで地理的に異なる場所で保存し定期的なファイル形式更新などを行う。大切な映像はオリジナルテープの保存も推奨されている。


キーワード
国際連合教育科学文化機関ベータマックスVHSビデオデッキマグネティック・テープ・アラート

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