あの人に会いたい 吉田簑助

2025年11月28日放送 16:22 - 16:34 NHK総合
午後LIVE ニュースーン 蔵出しセレクション

きょうの「あの人に会いたい」は昨年91歳で亡くなった人形浄瑠璃文楽の人形遣い・吉田簑助さん。 文楽を牽引した第一人者吉田さんの生涯をみていく。
人形浄瑠璃文楽の人形遣い・吉田簑助さん。華やかで情感豊かな芸風は多くのファンを魅了し、人間国宝に認定された。簑助さんは昭和8年、大阪生まれ。文楽人形遣いの父・桐竹紋太郎に連れられ、幼いころからよく楽屋に遊びに行った。父は当時衰退の一途を辿っていた文楽の世界に息子が入るのを反対。しかし、簑助さんの意思は変わらなかった。6歳で吉田文五郎に弟子入りする。文楽の人形遣いは足遣い、左遣い、主遣いの3人で1体の人形を動かす。一人前の主遣いになるには最初に足遣い、次に左遣いと何十年もの修行が必要。入門当初の簑助さんは一日でも早く足を持たせてもらえるよう努力を重ねた。終戦から3年、簑助さんは桐竹紋十郎師匠のもとに移った。その頃文楽では待遇改善を求めて労働組合運動が起こり、2つの会に分裂してしまう。先輩が減った分、若手の簑助さんにも大役が回ってくるようになった。しかし、一方でしたっていた父との間に大きな確執が生まれることになった。父とは数年、口もきかない状態が続いたが、あるときそのわだかまりが溶けた瞬間があった。様々な思いを胸に芸に励み28歳で三代吉田簑助を襲名。数ある演目の中、簑助さんにはとくに思い入れが深いものがあった。それは曽根崎心中。この演目は近松門左衛門が実際に起った心中事件を元に創作した物語。簑助さんが演じるのは心中を決意する遊女お初。たくみな人形さばきで女性の微妙な心理を繊細に表現。簑助さんは高貴な姫から遊女まで幅広い役柄を演じ分け女形の第一人者として高い評価を受けた。中でも他の追随を許さなかったのは人形が醸し出す色気。簑助さんは文楽を若い世代に知ってもらうため実験的な公演も数多く行った。例えば、人形が踊りをあわせる音色は三味線ではなくシンセサイザー。さらに若者の街・原宿のど真ん中で文楽を上演したことも。60代半ばで脳出血で倒れるが、リハビリに励み87歳まで舞台に立ち続けた。吉田簑助さん、華麗な人形遣いで昭和から令和までの文楽界を牽引した91年の生涯だった。
吉田簑助さんについて。 志賀隼哉アナウンサーは「言葉ひとつであんなに違うのかと。極めた方の言葉、熱い風というのを感じるインタビューだった」などコメント。NHK映像ファイル あの人に会いたいは総合テレビで土曜の朝放送中。29日は俳優の藤村志保さん。


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