らい予防法廃止30年 ハンセン病問題は解決したのか

2026年6月24日放送 23:30 - 23:39 NHK総合
時論公論 (時論公論)

6月22日はハンセン病の名誉回復・追悼の日で厚生労働省で追悼式が行われた。元患者の竪山勲さんは何一つ変わっていないと訴えた。ハンセン病はらい菌による感染症で感染力は極めて弱く1940年代に治療法が開発された。しかし日本では明治以降、隔離政策が続き各地で「無らい県運動」が行われ官民一体となって患者を療養所へ隔離を進めた。こうした政策の元で元患者や家族への差別・偏見が広がった。また療養所では取り返しのつかない人権侵害が行われた。1996年のらい予防法廃止で隔離政策は終わった。元患者らは国家賠償を求める裁判を起こし2001年に熊本地裁は国に賠償を命じる判決を言い渡した。国は隔離政策の誤りを認めて謝罪した。
国が3年前に行った意識調査でハンセン病について差別・偏見の意識を持っていると思うと答えた人は35.4%に上った。また元患者や家族に対し同じ浴場を利用することなどについて2割前後の人が抵抗を感じると答えた。2019年、国が家族に補償金を支払う制度ができたが補償金を申請した家族は全体の3分の1余。背景には周囲に知られる不安があると指摘されている。療養所の自治会長・山岡吉夫さんは社会復帰後、病歴は隠し続けてきたという。14年前に療養所に再入所した。全国13の療養所には1万7860人の遺骨が残されている。九州大学・内田博文名誉教授はハンセン病問題は学校教育で扱う機会は少なく国・自治体の教育・啓発は十分とは言えないと指摘している。元患者や家族に差別をしてはならないという原則はハンセン病問題基本法にも明記されている。もう一つの大きな課題は全国の療養所をどう残していくか。当事者が全て世を去った後、過酷な人権侵害の歴史をどう語り伝えていくか議論が始まっている。入所者6人の奄美和光園は保存へ向けた取り組みが進められている。また皮膚科の外来診療を一般に開放している。多磨全生園は今後のあり方「人権の森構想」をまとめた。ハンセン病市民学会・訓覇浩共同代表は当事者として社会のあり方を考えることが大切だと話している。


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