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猪俣英俊記者が注目ニュース「アメリカで成長なるか?日本製鉄の巨額買収」について解説。日本製鉄は18日、約2兆円を投じてUSスチールを完全子会社化した。アメリカは先進国最大の市場で、9000万トン以上の需要がある。日本製鉄が技術的強みを持つ付加価値の高い製品の需要が高く、魅力的な市場と言える。買収によって関税措置はプラスに作用する見込み。鉄鋼業界は中国から安価な製品が大量に輸出され、値崩れが大きな課題となっている。これに対し、アメリカの市場は関税で保護されていて、4日には鉄鋼製品に課している追加関税が25%から50%に引き上げられたことによって中国製品がほとんど入ってこないことから、アメリカで事業展開する大きな強みとなる。一方で会社は経営の重要事項について拒否権を行使できる黄金株1株をアメリカ政府に発行した。これにより、例えばアメリカ政府の同意を得ないままUSスチールの設備投資を削減したりすることができなくなる。これについて日本製鉄・橋本英二会長は「全く支障はない」としている。会社は2028年までにUSスチールに約110億ドルを投資して事業を拡大することを決めているためだという。ただ、仮にアメリカの鉄鋼需要が落ち込んだ場合、自社の判断で生産規模を縮小することができなくなる可能性もある。経営の自由度を確保しながらUSスチールの経営を立て直し、収益を生み出すことができるのか。