ワールドビジネスサテライト (ニュース)
午後8時すぎ、岸田首相を乗せた飛行機がアメリカ・サンフランシスコに向けて飛び立った。現地では米中首脳会談がまもなく始まる。サンフランシスコのリポーターは習主席の出迎えにはイエレン財務長官が出向き、中国との経済関係を重視する姿勢を示したと伝えた。
APECにはアメリカ・中国・ロシアなど、21の国と地域が参加する。14日から始まったAPEC閣僚会議では気候変動やサプライチェーン強化を議論し、首脳会議の土台づくりを目指すが、共同声明をまとめられるかは不透明。こうした中、アメリカは中国に対抗するIPEFの閣僚会議や日米の経済版2プラス2を行った。一方、西村経産大臣が中国の王文濤商務相と会談し、輸出管理やビジネス環境の円滑化について、事務レベルで議論する場を設けることで合意したという。
米中首脳会談の最大の焦点について、サンフランシスコのリポーターは去年8月以降から途絶えている軍同士の対話の再開を最重要課題と位置づけている、トップ会談で両国の軍事的緊張を和らげることができるかが焦点だと話した。また、半導体など先端技術の輸出規制やAIへの対応なども協議する見通しだという。
北京のリポーターは中国側としては厳しい経済状況などを背景にアメリカとの関係改善を図りたい考えだと伝えた。
アメリカ資本の大手スーパー「ウォルマート」。北京の店舗を訪ねたが、客の姿はほとんどなかった。ウォルマートはここ数年、中国での厳しい店舗経営が続いているという。背景にはゼロコロナ政策や景気低迷がある。IT大手のクラウドソフトウェアや調査会社大手のギャラップも中国からの撤退を決めたと報じられている。今年7月~9月の外国企業による中国への投資は統計開始以来、初めてマイナスを記録した。北京のリポーターは従来通り「一つの中国」の原則を主張し、台湾問題に関与しないよう米国をけん制するとみられると話した。
日中両政府は岸田総理と習主席による、約1年ぶりの会談を行うことで最終調整している。岸田総理は日本の水産物の輸入規制を撤廃するよう求める方針だという。