工業都市の歴史と桜 茨城県 日立市

2024年4月20日放送 7:39 - 7:48 NHK総合
NHKニュース おはよう日本 土曜すてき旅

日立市の桜に関する紹介。日立市は春になると市街地には約1万4000本の桜が咲いているという。この背景にはある歴史があった。多くの工場が立ち並ぶ工業都市・日立市では桜の町としても有名だという。日本さくら名所100選にも選ばれている平和通りでは1kmに渡るソメイヨシノの並木があり、2日間で37万人訪れたという。通りの土産物屋で桜の花の塩漬けを購入し、去年咲いた桜が使われていて、お湯を注ぐとさくら茶を飲むことが出来る。日立市が桜の町となったきっかけは、明治の終わりに起きたある出来事だという。
詳しく知るために「日鉱記念館」を訪れた。日立鉱山は1905年に創業し、かつて日立市には日本有数の銅の鉱山があり地域発展の礎となった。一方、銅を精錬するときに発生するガスで周囲の木々が枯れる被害が出たという。鉱山を経営する企業は山に緑を取り戻そうとガスに強い木を植林することに決めた。燻煙器という道具を使い様々な植物にガスを当ててデータを集め、オオシマザクラが最も強かったという。企業はオオシマザクラなどの苗を育てて植林し、希望する住民には苗を無償で配ったという。住民たちも自らの手で苗を植え、荒廃した故郷の自然を蘇らせていった。更に企業が社宅や道路沿いにソメイヨシノを植えたことをきっかけに、市内ではソメイヨシノも増えていった。当時植林された山では今も春になるとオオシマザクラが花を咲かせるとのこと。その一つである鞍掛山に案内してもらった。日立市さくら課は5年前に新設された課で、次の世代に残していくための活動をしている。オオシマザクラの特徴は白い花で、さくら課では今後オオシマザクラを柵で囲うなどして保護していくことにしている。山頂では桜と海が一緒に見ることが出来、4月の醍醐味だという。またさくらまつりでは桜に纏わる歴史を子どもたちに伝えようと3年前から地元の劇団が紙芝居を行う取り組みを市内各地で上演している。佐藤さんは「桜を大切にしたい気持ちと桜のことを知ってほしい気持ちが子どもたちの伝わった」などと話した。
日立市には桜の名所が50箇所ほどあり、かみね公園は遊園地がある公園で、展望台があり日立市の眺めを一望できるという。また熊野神社では樹齢100年の桜が植えられている。枝が下の方まで伸びているため、間近で写真を撮ることが出来る。


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