ニュースウオッチ9 (ニュース)
今回の年金制度改革法案には収入の多い厚生年金加入者の保険料上限引き上げや、65歳以上の人が一定の収入を得ると厚生年金が減らされる制度の見直しなどが盛り込まれている。焦点の1つは基礎年金の底上げで、この法案には盛り込まれなかったが給付水準の低下。去年国が示した見通しでは過去30年間と同程度の経済状況が続いた場合、基礎年金の給付水準が2057年度に今より3割ほど低下することなどが課題とされている。この対応策として厚生年金の積立金を活用して基礎年金を底上げする措置が検討されたが、措置を講じると厚生年金の給付水準が一時的に下がり、国庫負担は年間1兆~2兆円程度追加で必要となることなどから、今回法案には盛り込まれなかった。もう1つのポイントが就職氷河期世代で、基礎年金が底上げされない場合に打撃を受けるとされている。就職氷河期世代は30代後半~50代前半で全国1700万人以上いるとされており、年金がほかの世代より少なくなる恐れがある。