ZIP! ?よミトく!
来月から1人あたり4万円が減税される「定額減税」について、便乗した詐欺被害がすでに出ている。定額減税は政府が行うデフレ脱却のための一時的措置で、今年の分の税金が6月支給の給与から順次減税される。減税額は1人あたり所得税3万円、住民税1万円の合計4万円。扶養家族も減税対象となるため、4人家族の場合所得税で12万円、住民税で4万円の合計16万円減税される。政府は実感を持てるよう、減税の額を給与明細に明記するよう義務付けているため、給与明細に「定額減税」などの項目で記載されることとなる。注意が必要なのは便乗詐欺。新たな制度が始まるときには詐欺が横行しやすく、2020年の「新型コロナ給付金」や2022年の「マイナポイント付与」の際にも詐欺が発生した。広島県では先月8日、60代の女性に税務署の職員を名乗る男から電話があり、定額減税を理由に「手続きをしないと還付金を受け取れない」問われ、受取に必要とされる番号を告げられたという。その後、銀行のコールセンターを名乗る男からATMに行くよう促され、指示に従って番号を入力したところ、約49万円をだまし取られたという。富山県では60代の男性が税務署職員を名乗る男から電話で「定額減税の還付金がある」などと言われ、その後ATM操作などの指示に従ったところ、合計約300万円をだまし取られる被害があった。専門家によると、定額減税に便乗した詐欺の手口はさらに広がる可能性があるという。被害にあわないためにすべきことについて。まず国税庁・内閣府などは電話・メールで口座番号など個人情報を聞き出すことはない。また、詐欺師は巧妙なストーリーや親身な態度で信じ込ませるのがうまく、個人情報が聞き出されるような頃にはすでに詐欺かどうかを判断できなくなっている可能性が高いという。そのため、まずは電話で話すこと事態を避けるようにすることが大事。知らない番号からの電話に出ないこと、留守電設定にしておきメッセージを残された場合にはかけ直すが、かかってきた番号にかけ直すのではなく公式の番号を調べてかけ直すようにする。今年もう一つ注意が必要なのが「新紙幣」。「旧紙幣が使えなくなるから回収する」や「古い紙幣を振り込めば新紙幣と交換する」などの電話がかかってくる可能性があるが、日本銀行は「新紙幣発行後も従来のお札は使用可能」と告知している。