ニュースウオッチ9 東日本大震災 15年
震災から15年のいま見えてきた課題。課題の1つが震災後に各地で進められた集団移転。宮城・佐須地区では震災から6年後に復興団地が高台に造成された。この地区は震災前は43世帯がいたが、現在団地にいるのは9世帯のみで集落の存続が危ぶまれている。団地で暮らす本間さんに話を聞く。かつては毎年恒例の例大祭を地区の住民と盛大に開いていたというが、移転後は参加者が少なく開けずにいるという。団地でコミュニティが維持できなくなっている背景には国の復興方針がある。高台移転のルールとして、国は「規模を10戸以上とする」と定めていた。しかし後に特例として条件を5戸以上に緩和したことで、団地の小規模化につながった。集団移転を担当した石巻市の大壁さんは、住民合意の難しさに直面したという。少しでも早く移転先を決める必要があり、集約を断念したそう。住宅10戸未満の小規模団地は全体の約3割を占める。さらに復興のために進められた公共施設の建設やインフラ整備にも課題が。復興のシンボルとして石巻市に建設された複合文化施設は、使用料収入が必要な維持管理費に届かず修繕が難しくなっている。石巻市のおける公共施設などの年間の維持管理費は昨年度で100億円余で、震災前の1.8倍に膨張している。将来を見越した復興計画を立てるにはどうしたらよいのか。専門家は、震災後に冷静な判断は困難だとして震災前に議論しておくことが重要だと指摘する。
