クローズアップ現代 #5053 iPS細胞が変える医療の未来 実用化の最前線
iPS細胞は人間の皮膚や血液の細胞から作ることができる。最大の特長は神経の細胞や目の網膜など体中のさまざまな細胞になれること。体にiPS細胞を移植することで根本治療がないとされてきたパーキンソン病や重い目の病気なども治せるのではないかと研究が進められている。2年前、“もう自由には動けない”と医師に告げられた男性。転倒して脊髄を損傷。根本的な治療法がない中で提案されたのがiPS細胞で脊髄の再生を目指す臨床研究への参加。そして今月、男性を訪ねると、脚や腕だけでなく、上半身全体も動かせるようになっていた。自分の脚で体重を支えられるようになり歩くためのリハビリも始まっている。研究に参加した4人の患者のうち運動機能が大きく改善したのはこの男性を含む2人。iPS細胞を使った治療の研究開発はさまざまなケガや病気を対象に進んでいる。研究開発から一般の患者が治療を受けられる実用化までは大きく5つの段階に分けられ、今は実用化に向けた治験も終了し、国への承認申請をする動きも出てきている。