時論公論 (時論公論)
給付付き税額控除は減税や給付を行う制度で国民会議で制度の具体化に向けての議論が行われている。税金の負担は収入が低くなると小さくなるが社会保険料は概ね収入の一定割合を負担することになるため収入が低い人ほど負担が重くなる。生活保護の受給基準をやや上回る所得層で負担率が上昇して高くなっている。日本は世帯年収が300~400万円台がOECD平均値より負担率が高くなっている。日本総研・翁百合さんは日本では保険料の負担が重いことに加え児童手当などが十分でないことから特に低所得の子育て層の負担が重いと分析している。またG4平均に比べても年収300~400万円台は負担率が高くなっている。このため有識者会議では中低所得層の手取りをどう増やすかを中心に議論が進んでいる。
有識者会議では議論の材料として海外の制度が紹介された。アメリカの給付付き税額控除制度では働く意欲を高めるねらいがあり、イギリスではユニバーサル・クレジットが導入されていて所得なし・低所得の人の生活を支える性格が強い。会議では台形型に近い制度設計を求める意見が出た。さらに働き控えを解消すべきだという意見も出ている。負担軽減の方法について、会議では給付のみとする仕組みを求める意見が相次いだ。背景には過去の減税や給付金の支給で自治体の事務負担が大きかったことがある。子育て世帯への支援額をどうするかという論点もある。子どもの数に応じて加算する意見が出る一方で、社会保険料制度の多くで保険料の負担が子どもの数に応じて増える訳ではないことなどから加算は必要ないという意見も出ている。また低年金の高齢者層の支援については別の給付金制度との関係を含めて検討する必要があるとする指摘が出ている。
