首都圏ネットワーク (ニュース)
ふるさと納税の寄付がピークを迎える時期だが、街の人は返礼品を受け取っているのか聞くと、果物の定期便やコメ、ビール、肉、カニなどが挙がった。東京23区などの都市部ではふるさと納税による税収減が続いている。こうした自治体は体験型の返礼品や地域の店舗で割引が受けられる現地決済型の返礼品を充実させて需要を取り込もうとしている。東京・杉並区にある国指定の史跡・荻外荘は戦前、総理大臣を3度務めた近衛文麿の邸宅だった。荻外荘が新たに区の返礼品に設定され、20万円余の寄付で貸し切りにできる。日独伊三国同盟につながったとされる「荻窪会談」が開かれるなど歴史の舞台になった空間にも入ることができる。杉並区は今年10月下旬から返礼品を60種余追加したことで寄付額が増えている。
今年度の住民税の減収額の多い自治体の上位5つのうち3つが首都圏の自治体。(総務省)。減収額が最も多かった横浜市だが、対策を強化したことで寄付額が増加している。好評なのが現地決済型クーポンの返礼品。QRコードを読み取り寄付すると、寄付額の3割が料金から割り引かれる。ホテルなどで利用でき、今月までの1年間で寄付額は7000万円を超えた。3年前に約4億円だった寄付は昨年度、約29億円に増えた。こうした現状について周南公立大学・伊藤敏安教授は「返礼品が魅力的だから過当な競争に陥っていると思う」と述べたうえで、都市部が税収減の影響を抑えるため返礼品の拡充などの対策を取っていることについて理解を示す一方、競争が過熱しているとして制度の見直しが必要だと指摘している。
