ザ・ノンフィクション 酒と涙と女たちの歌4 塙山キャバレー 存続の危機 前編
ここ数年、塙山キャバレーにほど近い通りで朝ゴミ拾いをしている男性がいる。地元でミュージシャンとしても活動する塙山キャバレーの常連客・朝日駿さん。父に代わり従業員を雇う余裕もない工場を1人で切り盛りしている。かつては東京でミュージシャンとして生きることを夢見ていた朝日さん。家を守り続けたのは好き放題生きた9歳上の兄が家に寄り付こうとしなかったから。2025年2月、兄は理由がわからぬままビジネスホテルの一室で1人命をたった。遺したものはアンプだけ。やるせない日々の中、生きる活力を授けてくれたのが塙山キャバレーだった。朝日さんが「ふじ」のママに打ち明けたのは警察署で兄の遺体と対面したときのこと。「めぐみ」にも壮絶な過去を抱えて生きる客が訪れていた。23年前、当時の夫からDVを受けている中救ってくれたのが塙山キャバレーだったという。めぐみママもまた、塙山キャバレーにたどり着くまでに幾度も死を覚悟した人だった。「いづみ」の常連だったまあちゃんはかなりやつれた様子だった。
