モーサテ プロの眼
今週のFOMCについて、山本は、焦点は、政策据え置きに対して、反対票が出るかどうか、トランプ大統領が1期目に任命したウォラー理事ら2人が造反するかどうかが注目されている、ウォラー理事はほぼ間違いなく利下げを主張することになるとみられる、今月17日の講演が今すぐ利下げすべき根拠、ウォラー理事は、政治的な動機で利下げを主張しているというよりも、彼自身のこれまでのデータとマクロ経済分析に基づいて、利下げの根拠が首尾一貫している、政治的な動機があったとしても、トランプ政権のブレーンや次期FRB議長候補の見解とほぼ一致しているなどと話した。ウォラー理事は、利下げを支持する理由を3つ挙げている。ひとつは、関税による一回限りの物価水準へのショックは無視するのが中央銀行の慣行であるから。2つ目は、足元の景気が少し減速しているから。3つ目は、労働市場の下振れリスクが上昇しているから。民間部門の雇用者数の伸びは失速寸前であるとも発言している。山本は、アメリカの雇用市場は表面上は良好に見えるが、この1~2年の雇用を牽引しているのは政府部門と医療セクターで景気にあまり関係のないところ、そういった部分を除いた民間部門はクールダウンしているなどと話した。ウォラー理事は、関税によって目先、インフレが上がること自体は認めているが、そのインフレが持続性を持つかどうかが重要であり、ウォラー理事は、インフレ再燃のリスクはないとしている。山本は、労働市場がクールダウンするなか、賃金は非常に落ち着いている、アメリカでは若者の失業率が上がってきていて、こうした状況でインフレはまず再燃しないだろうとみているなどと話した。去年7月のFOMCでも、利下げをすべきだという主張が一部にあったことがわかっている。結果的には利下げを見送り、9月のFOMCで大胆な利下げに追い込まれた。山本は、去年7月のFOMC後の雇用統計が非常に悪い結果で、9月の年次改定で雇用者数の伸びが下方修正された、ことしも同じような下方修正含みになると言われている、今回利下げが行われなくても、9月に利下げとなる可能性はあるなどと話した。