ICCの新たな試練 ノーベル平和賞とアメリカの制裁

2026年10月15日放送 23:30 - 23:39 NHK総合
時論公論 (時論公論)

今年のノーベル平和賞には南アフリカ出身で国連人権高等弁務官を務めたナビ・ピレイ氏が選ばれた。長年、国際法に基づく正義を追求してきた。選考にあたったノルウェー・ノーベル委員会のフリードネス委員長は、国際法が平和に果たす役割を強調したうえで、ICC解体を迫る米も暗にけん制した。米・トランプ大統領は、平和に貢献しているのは自分だと主張し、ICCをへの経済制裁を発表した。
なぜICCはアメリカから敵視されるようになったのか。ICCは国際社会が個人の責任を追及する裁判所として設立された。過去にはウクライナでの戦争犯罪の疑いでプーチン大統領に逮捕状を出してきた。ベネズエラ・イランを攻撃したトランプ政権も強く警戒している。アメリカなどはかねてから、加盟せず管轄権を認めていないICCに自国民を訴追されるのは主権の侵害だと訴えてきた。トランプ政権はICCへの制裁に踏み切るにあたり、ICC加盟国に180日間の猶予を与え、対応を迫っている。
ICCの逮捕状には時効がなく、国際法上の容疑者のらく印は消えない。加盟国に逮捕・引き渡しの協力義務を追い続ける。トランプ政権が執拗に圧力をかけていることは、強大な権力者たちがIOCの存在を脅威とみなすようになっている証といえる。また、国際社会の理不尽な現実にひるむことなく、国際法の原則を掲げるICCは人権侵害に苦しむ人々に応える、かけがえのない存在でもある。


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