2023年9月7日放送 23:06 - 23:55 テレビ東京

カンブリア宮殿
【巨大企業なのに“ベンチャー”!TOPPAN快進撃の秘密】

出演者
村上龍 小池栄子 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

カンブリア宮殿
「ゴールドブレンド」が一新!その裏に“巨大黒子企業”あり

ゴールドブレンドのおなじみのパッケージがフルリニューアルされた。デザインがシンプルになった。その一ヶ月前にそのパッケージを手掛けた二人がネスレ日本神戸本社へやってきた。光具合まで計算し、細かいラインが施され高級感のある仕上がりに。作ったのは凸版印刷。ラベルの印刷だけでなく、詰替え用パッケージも凸版印刷が開発した。さらに簡単に詰替えができ、リサイクルもできるパッケージも開発し使いやすいようにした。凸版印刷は年商1兆6000億円と印刷業界トップに君臨する巨大企業。その最新鋭の工場では印刷を行っていたがここでは印刷から製本まで行うという。ところが工場内をよく見ると、ほとんど人がいない。無人の搬送機が走り回り、極限まで自動化が進められている。かつて繁栄を極めた印刷産業はデジタル化の流れで廃刊が相次ぎ、ピーク時から出荷額が半減したしかし凸版印刷は、ここ数年で反転攻勢となり2000億円も増加した。

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去年横浜にオープンしたウェスティンホテル横浜は木目調の館内が特徴的だがこれは全て凸版印刷が開発した木目を印刷した建材だという。木材が高騰する中でこの木目の建材が売れまくっている。まるで本物のように木の凹凸まで再現し高度な印刷技術でアルミなどに印刷したものだという。凸版印刷が様々な木目を再現できるのには理由があり、木目のデータは5000種以上あり、このデータを使用してリアルな木目の建材を作り出している。このデータの元になっているのは珍しい木や、美しい模様の木材を世界中から集めてデジタルデータにしている。アメリカで見つけてきたという傷だらけの木材があるがこれをデータ化し、デザインをしなおすとおしゃれな木目になり引っ張りだこになっているという。こうした建装材事業で売上高は1322億円に。さらに凸版印刷のビジネスが和歌山県の人里離れた山奥に。

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弘法大師もびっくり!?“非公開”人を拝める秘密

高野山にある西塔は普段は非公開になっている場所で、貴重な壁画を保存しており、のぞき穴からでしか内部を見ることができないという。しかしその問題を解消したのが凸版の最新技術。高野山デジタルミュージアムでみることができるようになったというが、ここでは臨場感溢れる映像で普段みることのできない寺院の内部を体感できる。西塔の内部は様々な角度から撮影した高精細なデータをもとにリアルな映像を作り上げた。凸版印刷が映像を手掛けるデジタルミュージアムは集客にもってこいと、全国20箇所の観光地が導入している。

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巨大企業でベンチャー企業 年商1兆6000億円トップ

タイに出向いていた凸版印刷社長の麿秀晴。この日訪れたのはタイのパッケージの印刷工場。凸版印刷は、現地企業と組んでたてたこの工場で海外市場向けのパッケージを製造している。高度な技術を武器に国内だけのビジネスから脱却し、海外に挑んできたのが麿。今や凸版の海外事業は全売上の3割を越えている。ジリ貧の印刷業で様々な挑戦を続け生き残る凸版印刷。その原点は123年前の創業時にある。凸版印刷を作ったのは当時大蔵省印刷局出身の技術者。お札の偽造防止のための最新の印刷技術を武器に独立した挑戦的なベンチャーだった。

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世界のパスポートも印刷!年商1兆6000億円トップ

凸版印刷が手掛ける商品などのパッケージがスタジオに登場。麿は少なくとも二桁の国のパスポートに協力しているという。元々お札の偽造防止が非常に大きな問題になっていたがその技術が脈々と受け継がれていっているという。また設立趣意書には印刷は美術なりと書いており、感動するようなものを世に出そうと志をもってスタートしたという。また麿は職人の匠の技を今はデジタルデータに置き換える作業ができているが、データだけで難しいのは絵画や油絵などを再現してもなかなか認めてもらえず、グロス館感や凹凸感など職人が活躍している部分もあるという。またデジタルミュージアムについては文化財などを撮影する際は通常は色だけだが光の反射を別にとって表面の凹凸が微妙にあり、凹凸のデータも撮影しそれを重ねると平面的な映像だけでなくリアリティーのある映像ができるという。熊本城も同じように撮影したが、熊本城は後に地震で崩れてしまったが、その石垣データがあるので今元に戻す手伝いをしているという。こうした文化財になにかあった際に復元する作業にも貢献できると答えた。

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美味しさ&保存性アップ ドル箱!魔法のフィルム

愛媛県の松山市の工場ではしっとりしたこしあんを職人がふわふわの生地に巻き込んでいく愛媛県の銘菓の一六タルトを製造している。その美味しさになくてはならないものは、その袋の内側に。内側をコーティングするように張られたフィルムは凸版印刷が開発したGLバリアという画期的なフィルム。賞味期限を伸ばす効果に一役買っているという。包装の内側にGLバリアを使用することで、酸素や水蒸気をほぼ通さずに消費期限を伸ばすことができるという。様々な商品に使用されている。

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美味しさ保つ魔法のフィルム 開発者は「社長」だった!

GLバリアの開発に麿が挑んだのは34歳のときにドイツでの出来事がきっかけだった。ドイツのディッセルドルフで行われた世界最大のパッケージ展示会に視察に訪れた麿は衝撃的な商品に出会う。それは生物の働きによって水とCO2で分解される容器の生分解性プラスチック。世界の環境を意識した商品に驚いた。そこで挑戦したのはパッケージの機能を進化させる新たな保護フィルム。食品の劣化を防ぐGLバリアの開発。麿は工場に泊まり込んで深夜2時の稼働していない生産設備を利用。6年かけて量産化を成功させた。食品ロスをなくすGLバリアの大ヒットで、パッケージ部門の年商は3800億円を越えた。麿は減少した印刷の売上をカバーする新たな屋台骨を作った。凸版印刷の技術を変えた麿は大胆な決断に120年掲げた社名から印刷除外しTOPPANホールディングスへ。麿はGLバリアについて食品に包装すると消費期限を伸ばすことができるフィルムで、紙の缶のカート缶は50%以上が紙だが、中身の水分が抜けたり風味が変化しないようにバリアがいるという。GLバリアをこの中に入れ、紙なのに金属と似たような機能を持ち環境にも優しいという。さらに世界では環境を考えて容器を作っていることに驚いたことがきっかけで、テーマに掲げたという。しかし当時はまだその分野に会社が力を入れておらず、開発には機械を使う必要があったが使うことはできず、上司に交渉して夜中に機械を使うことができ、工場で寝泊まりして次の日も普通に働いていたという。

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大人気!白い恋人パーク 新密度アップ…ラブベンチとは

札幌にある白い恋人パークでも凸版印刷の意外なビジネスが。様々なアトラクションのある館内では白い恋人の製造ラインが一望できる。白い恋人のパッケージを手掛けるのは凸版印刷。さらにスタディベース・カカオポッドというアトラクションはプロジェクションマッピングでチョコレートの歴史や作り方を楽しく学ぶことができるという。企画から映像制作まで凸版印刷がトータルプロデュース。テーマパーク内の印刷や画像技術は高度な凸版印刷の技術によって支えられている。麿は白い恋人パークを手掛けることになった敬意に包装材料やプロモーション企画もやっている間に建物も手掛けるようになったがパッケージのコンセプトは建物イメージも大事であり、そのパッケージのイメージをそのまま再現すると手伝うようになったという。またゼネラリストであることが強みだという麿は、スペシャリストも素晴らしい人が多いがこれだけ世の中が読めなくなったり変化が激しくなったりすると経営側の人は少なくともゼネラルを持ったスペシャリストでないとこれからは通用しないと答えた。

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無口な“理系青年”が一変!巨大企業トップになれたワケ

タイのバンコクにあるサイアムセメントグループにやってきた麿。トップとは合弁会社を作るなど信頼関係を築いてきた。海外企業とのトップとも物怖じすること無く交渉し結果を残してきたが入社当時は技術者出身にしか過ぎなかった。当初は営業になりたかったという麿は今でこそ喋るようにはなったが当時は寡黙な青年でコミュニケーションをとるのも得意ではなく、喋るのも好きではなかったという。最初に弱点をしっかり改善できれば技術職になった時に海外でもどこでもコミュニケーション力をつけたほうが良いと思い営業を志望したという。

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(エンディング)
編集後記

村上は今日の総括に明治33年、大蔵省印刷局から独立した若者技術者5人が立ち上げたベンチャーが開祖で、「凸版」という名前を使い、技術の株券の印刷などに使用した。情報を外に漏らさないということが会社の強みとなり、歴史となった。長いこと紙の印刷がメインだったが、当時役員でも何でもなかった麿さんが「GLバリア」というフィルムを開発した。印刷とは関係ないと思ったが違った。機能が印刷されているらしい。麿さんは、約5万人の社員を率いている。把握してますか、と聞いたら、1人1人は無理だが、おおよそのところはと答えた。とした。

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次回予告

カンブリア宮殿の番組宣伝。

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