- 出演者
- 庄司智春(品川庄司) 黒沢かずこ(森三中) 宋美玄 ゆうちゃみ
女性特有の健康課題をテクノロジーで解決することを目指すモノ、サービスは「フェムテック」と呼ばれる。世界の市場規模は年々増加し、25年には5.5兆円に達するという試算も。女性特有の悩みに生理、妊娠・出産、更年期などがあり、24年2月に森タワーで「Femtech Fes!」が開催されると、3日間で約5000人が来場した。番組では女性のカラダの悩みに日本と世界とで違いはあるのかリサーチした。
オープニング映像。
庄司智春ら出演者の他、スウェーデン、インド、ロシア出身の女性も収録に参加した。庄司は妻である藤本美貴が忙しい日々を送るなか、夫としてカラダのケアをサポートしたいと考えていた。黒沢かずこはゆうちゃみの母親が自分よりも2歳年下であることを聞き、衝撃を受けていた。
2月に六本木ヒルズで開催されたフェムテックのイベントを取材。展示されたアイテムのなかで、注目を集めたのがトイレットペーパー型ナプキン「Egal」。発祥のアメリカでは大学や空港、病院などに無料で設置されている。1ロールに40枚入っていて、4~6時間使えるという。他にも繰り返し使用できる月経カップ「メルーナ」、経血をトイレに捨てられる仕組みとなっている韓国発の月経カップ、身体を洗いながら乳がんのしこりの感覚を学べるアイテムなども紹介された。チリでは乳がんで毎日3人が亡くなっていて、現状を打開するため、早期発見につながるアイテムが開発されたという。
23年10月、東京ビッグサイトでもフェムテックイベントが開催され、3日間で1万人以上が足を運んだ。韓国で100億円を超える売り上げを記録したのが「easy K」。EMS式の骨盤底筋トレーニングマシンで、骨盤底筋は出産、加齢に伴ってゆるみが生じ、尿もれの原因になる。
宋美玄先生は月経カップを推奨し、スウェーデンのオーサさんは「安い割に5年間くらい使える(商品による)。あと、環境に優しい」と話す。黒沢かずこはよく尿もれするといい、宋先生の話から骨盤底筋のゆるみ、損傷を予想した。
番組では浅草、渋谷、六本木で街頭インタビューし、「生理の話ってタブー?オープンか?」尋ねた。ウクライナ出身の女性は「男性の近くでは生理の話はできないが、女性たちはその風習を変えようと奮闘している」と語った。生理とは直截的に言わず、「these days」などと呼んでいるという。
香港の女性によると、香港では男性がナプキンやタンポンの違いなどを理解し、マレーシアでは生理について家族間でオープンだった。ブルネイでは生理痛がひどければ、企業によって休みを取れるという。日本でも生理休暇は労働基準法で定められているが、取得率は1%未満。
街頭インタビューの回答から、日本で生理用品というとナプキンが多数を占め、ユニ・チャームの調査でも裏付けられている。海外では月経カップの利用が浸透しているようだった。カナダでは大学のトイレに無料の生理用品が男女ともに置いてあるという。韓国ではナプキンが高く、購入を躊躇する事情があった。東京都ではナプキンの平均価格は10個で208円だが、韓国だと約1200円、良質なものはもっと高い。
「生理前のイライラ、生理痛にどう対処しているのか?」を訊ねると、「泣くことでストレス発散」、「避妊インプラント(二の腕の皮膚下に埋め込んで使う。日本では未承認、保険適用外。病院で取り外してもらう必要あり)」といった回答があがった。
庄司智春は藤本美貴は生理が近づくと知らせてくれるといい、子供が理解しやすいよう、「女の子の日、乙女ちゃん」などと表現している。ロシアでは公共の場、男性の前で「生理」というワードはタブー視され、祝日、「赤」を使ったワードに言い換えているという。インド、ネパールの一部地域では生理中の女性を専用の小屋に隔離する慣習が残っている。スウェーデンでは薬剤によって生理を軽くしたり、頻度を減らすという。宋先生は「生理の痛みは我慢するべきではなく、病気が隠れている場合もあるため、婦人科に行って診てもらうべき」と語った。
学校での性教育について聞き込み調査。日本では「ナプキンを使った後の片付け方もわかっていなかった」などの声があった。一方、20代のスペイン人女性は「生理について教育を受けた。タンポンを見せてもらい使い方を説明され、男の子も一緒に見ました」などと回答した。16歳の女性は男女一緒に授業を受けて参加の可否を自分で選べたという。アルゼンチンでは2006年から包括的性教育法が成立し避妊・DV・性的多様性などのテーマが扱われている。
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- 性教育
ロシア出身のあしやさんは「友達から都市伝説レベルで話を聞いた」。インド出身のシワニさんは「生理についても教えてもらったことがなかった」と回答。庄司は性教育事情について「授業参観で親も一緒に性教育を受ける時間がある。息子とは性の話をするようになった」などとコメントした。ゆうちゃみは初体験の内容などを母親に伝えたことなどを明かした。
妊活・出産にまつわる悩みについて聞き込み調査。23歳女性は「凍結しておくのは選択肢として賢いなと思う。費用が安くなったら自分も卵子凍結を考えたいと思ったことがある」などと回答。日本では自由診療で平均30~100万円かかると言われている。東京都は2023年から最大30万円の助成を開始した。
妊活・出産にまつわる悩みについて聞き込み調査。卵子凍結に300万円かかったという女性や、出産費用が無料だった女性などを紹介。フィンランドでは政府から育児パッケージが無料で届くという。すべての子どもたちにとって平等な生活環境を整えるため1938年から続いている。
出産事情の違いについてスウェーデン出身のオーサさんは「スウェーデンは国立病院なので日本と比べたら安い。日本で出産したが5つ星ホテルみたいで良かった」などと伝えた。
緊急来日したフェムテックの生み親、イダ・ティンは「更年期はとても大きなこと。女性なら誰もが経験すること」と話す。日本では経産省が、女性特有の健康課題に関する経済損失が推計3.4兆円に上ると発表。更年期症状によるものが1.9兆円に上ると推定されている。
創業77年のパラマウントベッドでは女性のカラダと睡眠について調査を行なっている。女性ホルモンのバランスの変化は睡眠にも影響しているという。睡眠計測センサーはわずかなカラダの動きから睡眠状態を推定する。社内で更年期への理解を深めるための報告会も実施されている。
黒沢は更年期について血液検査をしたことを明かした。更年期と子どもの反抗期・受験が重なってイライラが増幅されたりすることもあるという。対処法として宋美玄は「同じスピードで衝突し返さないで、なるべく包みこんであげたり、そういう時期だと理解してあげるのがいい」とアドバイスした。
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- 更年期
来年には経済効果が2兆円になるともいわれている日本のフェムテック市場。2016年に誕生した「フェムテック」という言葉。19年頃からは日本でも有名に。翌年以降からは吸水ショーツが発売されるなど話題に。21年には政府の成長戦略に「フェムテック」が掲げられ、新語・流行語大賞にもノミネート。アサヒグループ食品が今年開発したのは、女性の生理の悩みを解決するというサプリメント。日本初、月経関連の機能性表示食品。月経前の一時的な疲労感など軽減させる。