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オープニング映像。
ウーバーイーツの配達員として働いているアベ松怜音さん(28)は約15秒に一回声をあげてしまう「トゥレット症」を患っている。咳払いや叫び声などをあげてしまう「音声チック」とまばたきや首振りなどをやってしまう「運動チック」のうち、どちらも1つ以上の症状が1年以上に渡って見られる症状を「トゥレット症」と呼ぶ。現在のところ、トゥレット症の詳しい原因や治療法は見つかっていない。意思に反して出てしまう大きな声は公共の場で迷惑をかけてしまう場合も多くあり、アベ松さんは日常的に謝ってばかりいる。
トゥレット症患者は1000人あたり3~8人存在すると推測されている。東大病院の金生由紀子医師はトゥレット症について「精神科と神経内科と小児科と脳外科が重なっている。どこかの科がうちのメインだから頑張ってやりましょうという感じでもない」という医療側の背景を話した。神奈川県に住む酒井隆成さん(23)はチック症と戦いながら5年間一人暮らしをしている。医療や福祉関係の仕事へ就職を希望しているが、就職活動も病気のためにままならないでいる。
トゥレット症は寝ている間にも身体が動く症状などが出るため体力の消耗が激しい。酒井隆成さんが就寝している際の映像を撮影し金生由紀子医師に確認してもらった。金生医師は「寝ている時にこんな症状があるのは見たことがない。大変だと思います。これじゃ全然疲れが取れない。患者さんが昼間疲れているというのはこういうことも関係してくるのではないかと思います」と語った。
トゥレット症は発達障害などに分類されているが、身体的な症状も発生するため、酒井隆成さんは行政の支援が自分たちの生きやすさに直結していないと感じている。精神障害と身体障害を併せ持つトゥレット症患者に見合った就職先はなかなか見つからないのが現状。アベ松怜音さんは調理師免許を持ち、かつて料理人をしていたが、静かに食事をしたい客もいるということを考え、現在は閉店後の飲食店で働いている。
酒井隆成さんは両親と兄と妹の5人家族。酒井さんは中学卒業までバスケットボールにうちこんでいたが、練習試合などで他校の生徒たちから笑われることなどは日常茶飯事だったという。父の富志也さんはそんな様子を見ることが「辛かった」と語った。
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- トゥレット症
アベ松怜音さんは千葉市の都小学校でトゥレット症に関する授業を行った。5年生を相手に90分の特別授業をしたアベ松さんは笑顔で子どもたちと交流した。酒井隆成さんは重度訪問介護事業所に就職が決まり、趣味のデザインを生かしチラシの作成などを行っている。
エンディング映像。