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アルゼンチンの刑務所にある受刑者が描いた壁画。題材はサッカー選手のメッシで、「地上に舞い降りた神」と記されている。アルゼンチンはFIFAワールドカップ2026で準優勝。メッシはこの決勝戦を最後に代表引退を表明。試合後には珍しく涙を流した。そのメッシに影響された人々を取材。
オープニング映像。
メッシは2023年からインテル・マイアミ(米国)に所属。アメリカで実況アナをしているアンドレス・カンターさんはアルゼンチン出身。アルゼンチンが敗れたW杯決勝戦で実況を務めた。メッシに魅了されるのは、年齢が近く自身の人生と重なるから。メッシのW杯前最後の試合でコイントスを務めメッシと対面、ユニフォームをプレゼントされた。メッシがマイアミに来てサッカー人気が高まった。マイアミ在住のラテンアメリカ人は全員がメッシを応援しているという。
アルゼンチン出身で米マイアミ在住のフリオ・イグレシアスさんはメッシファンクラブの創設者。クラブには300人が所属。メンバーには南米出身者が多い。2026年W杯期間中はメッシの試合を全て観戦。
2026年W杯準決勝のあと、SNSに投稿された動画。映っているのは南極でアルゼンチンの旗を持って踊る半袖姿の男性。準決勝でアルゼンチンは逆転勝利している。当時の気温マイナス30度、風速130メートル。
2026年W杯決勝戦でアルゼンチンが敗れると、メッシの敗退を悔しがるファンたちが各地で泣き崩れた。これに驚いたのはバングラデシュに駐在するマルセロ・カルロス・セーサ大使。アルゼンチンサポーターは全世界で推計7200万人、同国の総人口4600万人をはるかに超える。きっかけはマラドーナ率いるアルゼンチンが旧宗主国の英国を倒した86年大会。これを機に両国の貿易も拡大した。
アルゼンチン・ブエノスアイレスの刑務所に服役中のセサル・ガブリエルさん。犯罪が多い地域に生まれ、服役中に救いになったのがメッシ。22年大会でアルゼンチンが優勝した際、受刑者たちはメッシの壁画を描いた。セサルさんにとってメッシは目標へ向かう意志の象徴。出所まで2カ月。
アルゼンチン・ロサリオ地区はメッシの故郷。壁画家のマルレネ・スリアガさんはメッシゆかりの場所にメッシの少年時代をモチーフにした壁画を描いている。
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- リオネル・メッシロサリオ(アルゼンチン)
メッシが幼いころ所属した「アバンデラード・グランドリ」は当時も今も労働者のための質素なクラブ。メッシは過去、活躍できずアルゼンチンのメディアから強い批判を受けた。アルゼンチンは準優勝に終わりメッシが試合後に涙した26年W杯について、「優勝した前回より素晴らしかった」「感情をあらわにして彼も同じ人間だと見せたのは良かった」と話した。「サッカーは負けることもあれば勝つこともある」「人生も同じ」と話す。
アルゼンチンでスポーツジャーナリストをしているソフィア・マルティネスさん。26年W杯の大会期間中はアルゼンチン代表に帯同しサポートに務めた。決勝戦で敗れメッシが涙したことについて「あの涙はアルゼンチン国民の心を撃ち抜いた」「負けたのに人々はレオへの感謝を表現するために街へ出た」と語る。
インドネシア・カラマ村の漁師、ムハンマド・ユスフさん。サッカーアルゼンチン代表が大好きで、自宅もそれ風の装いにしている。毎年塗り直していて、そのたびに1万円ほどかかっている。W杯中に生まれた初孫を「メッシ」と名付けた。W杯でアルゼンチンが優勝した際、トロフィーに見立てたココナッツおろし器「ピケル」を持って6km先の村まで歩いた。ピケルは漁師にとってお守りでもある。
都内で鍼灸師をしている小野絢菜さん。出身は岩手。学生時代はサッカー部に所属。東日本大震災を小学6年生で経験し自宅が燃えたがサッカー道具だけは燃えず。サッカーをしている間は震災のことを忘れられた。チームはバルセロナに招待され、小野さんはメッシと対面。26年W杯の決勝戦で敗れ涙を流したメッシについて、「あの涙でもっと頑張ろうと思える人もいたと思う」「「あの時メッシに笑顔を見せてもらえて頑張れた」と語る。
米カンザスシティーに暮らすクリスチャン・ホームズさんは6歳。友だちと遊んでいて火傷をし入院中。憧れはメッシ。火傷をした時、自分の体よりも当時着ていたメッシのユニフォームが燃えたことに悲しんでいた。見舞いとしてユニフォームを贈ったのは10歳のマッテオくん。幼い頃がんを患い、地元のサッカークラブの働きかけでメッシと対面。ユニフォームにサインしてもらった。過去にはメッシも成長障害を患い治療を受けていた。マッテオくんは2年間の治療の末がんを克服。SNSでクリスチャンくんの存在を知りユニフォームをあげることにした。
ヨルダン在住のシリア難民、サーミ・アルファラジュさん。難民キャンプで暮らして14年。ミサイル攻撃で両足を失った。支えになったのは病気でもサッカーを諦めなかったメッシの存在。メッシの試合を見るときだけは全ての痛みを忘れられた。仲間がシリアに戻り自身も就職できずに悩んでいたところ、26年W杯で準優勝に終わり涙を流すメッシを見て「私に向けた涙」と感じた。今の夢は祖国に帰り戦傷者スポーツに携わること。
アルゼンチン・ブエノスアイレスに暮らすガッシー・サウディン さんはパレスチナ出身。アルゼンチンに住んで9年。何もない街を出て未来を変えようと国を出た。若くして自分の国を出たメッシに自分を重ねている。
26年W杯を最後に代表を引退したメッシ。インテル・マイアミ(米国)でのプレーは今も続けている。会場に来ていたファンは「メッシに会える毎日が私たちを幸せにしてくれる」と語る。26年W杯の決勝戦で実況を務めたカンターさんは「彼のプレーを見るたびに歴史の目撃者になれたことに心から感謝」と語る。現在服役中で刑務所にメッシの壁画を描いたガブリエルさんは10月10日に出所予定。メッシとマラドーナは背番号10。
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