上野教授の死去から2年後、ハチは目を離すとすぐ、どこかに出かけるようになっていた。八重子夫人とハチが暮らしていた世田谷区は渋谷駅まで約6km離れていた。犬には帰巣本能があり、四角・嗅覚・空間認知で方向を決めているという。渋谷に住む上野家に仕えていた植木職人・小林菊三郎のもとにハチを託した。

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ハチが渋谷に現れた目的は忠誠心ではなく焼き鳥目当てではないかという疑惑が浮上。

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渋谷駅

ハチが渋谷に現れた目的は忠誠心ではなく焼き鳥目当てではないかという疑惑が浮上。当時、焼き鳥は夜にならないとお店がでなかったが、ハチは朝夕2回渋谷駅に通っていたので焼き鳥目当てではないと松井圭太は反論。新聞で取り上げられるまでは無名で、居付かれたら商売の邪魔になるので食べ物は与えられなかったという。

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ハチ公物語渋谷駅

1935年3月8日、ハチは11歳でこの世を去った。ハチの遺体は東京帝国大学で病理解剖された。その結果、胃には4本の焼き鳥の串が見つかったが直接の死因ではないと診断。死因は犬の多くが当時発症していた犬フィラリア症。ハチの臓器は東京大学にホルマリン漬けで保管されていた。2011年、新たな死因を発見した。

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ハチの死から75年が経過した2011年、東京大学で新たな死因が発見された。心臓と肺から悪性腫瘍が発見された。ハチの本当の死因はがんだと判明した。さらに東京大学では2015年、キャンパスに上野教授とハチの銅像を作った。青山霊園にある上野教授のお墓の隣にはハチの墓がある。上野の国立科学博物館にはハチの剥製が展示されている。

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