- 出演者
- 杏
オープニング映像。
本日の世界遺産はオーストラリアのクイーンズランドの湿潤熱帯地域。世界最古の森と言われており木に登るカンガルーなどをみることができる。
クイーンズランドの湿潤熱帯地域はオーストラリア北東部、南北450kmに渡って広がる熱帯雨林が世界遺産のエリアとなっている。総面積は約9000平方キロメートルと東京都を4倍を超える広さとなっている。森は恐竜がいた時代から変わらず独特の生態系を築いている。「カーテン・フィグ・ツリー」は根が垂れ下がっていて他の木にやどる着床植物となっており伸ばした根は約15mになる。そんな森の中には木を登るカンガルーがいる。オーストラリア大陸の有袋類の約30%の種類がこの森に住んでいて多くは少し標高の高い涼しいエリアに生息している。カオグロキノボリカンガルーは顔が黒いカンガルーでこの森だけに住む固有種で木の上で暮らすために進化した特徴の一つが長い尻尾でバランスをとるのに適している。他にも爪や背中につむじができることで水はけがよくなっている。
木に登ったカンガルーがいる一方で最も原始的なカンガルーも生き残っている。ネズミのような姿をしているニオイネズミカンガルーは最も小さいカンガルーで昔のカンガルーは皆ニオイネズミカンガルーのように4本足で地べたを歩き回っていたとされる。森を抜けると岩場が広がりここにも進化したカンガルーの仲間が生息している。マリーバイワワラビーは脚力能力も高く、肉球はゴムのような質感に進化しており岩場での活動を自在にしている。
クイーンズランドの湿潤熱帯地域には動植物あわせて600種超の固有種が現存する。恐竜の時代から姿を変えていない植物レピドザミアホペイや。恐竜の時代から姿を変えていない生き物ボイドモリドラゴンなどが生息している。
クイーンズランドの湿潤熱帯地域には原始的な生き物として哺乳類なのに卵生のカモノハシや恐竜の足を持つヒクイドリなどが生息している。そんな森の中には奇妙なダンスを踊る鳥が生息している。コウロコフウチョウはオスメスで模様も色も異なり繁殖の時期になるとオスによる求愛が始まる。オスの求愛行動は翼を丸く広げメスの注意を集め、ダンスを踊りメスを引き付ける。オスは5歳頃までメスと同じ姿で雛は大人のまねをして踊る姿も確認できる。
太古の昔に存在した「ゴンドワナ大陸」は分裂が進み原始の生態系を残したまま孤立したのがオーストラリア大陸だった。その後乾燥化がすすむが東側は森が残った。グーレドディバイディング山脈に海風があたり雨雲が出来、雨をもたらした。雨は森にろ過され海まで運ばれ澄み渡った海が生まれ沖合にグレート・バリア・リーフが生み出された。グレート・バリア・リーフは全長2300キロにおよぶ世界最大のサンゴ礁。
クイーンズランドの湿潤熱帯地域には森を守る生き物が存在する。オーストラリアツカツクリは木の根元で穴を掘って巣作りをする。落ち葉が発酵する熱で卵を温めており、つがいで作る巣は世代を越えて受け継がれ高さ5mになることもある。餌を探しながら常に土を掘っていてこの行動が土壌を柔らかくし保水能力を上げている。
クイーンズランドの湿潤熱帯地域は一見手つかずの森にみえるが過去にはヨーロッパ人の開拓により森林の多くが伐採され牧草地に姿を変えていた。結果クイーンズランドの森は分断され本来あった森の面積を40%を失った。その後保護活動が活発になり1987年に木の伐採が禁止され再生活動が始まり、動物が森を行き来できるようになった。現在も毎年10万本以上の植林が続けられ再生は続いている。クイーンズランドの湿潤熱帯地域は動植物の希少性と多様性を理由に世界遺産に登録された。
- キーワード
- クイーンズランドの湿潤熱帯地域
パリの世界遺産を杏が紹介する。やってきたのはシテ島にある「サント・シャペル教会」。サント・シャペル教会は13世紀に誕生。高さ75mの塔に登ると町を一望できる。今回特別に塔を登ることを許可されパリの町を一望した。
ベスコングルメの番組宣伝。
- 過去の放送
-
2023年10月8日(18:00)