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オープニング映像。
卓球女子のエース・早田ひなは有利とされる左利きで、体格を生かしたダイナミックなプレーが持ち味。伊藤美誠と平野美宇は同級生。伊藤はリオ五輪に卓球界史上最年少で五輪メダリストになり、平野も史上最年少でアジア女王になった。早田は2人の背中をずっと眩しく感じていた。東京オリンピックでは補欠メンバーという立場だった。
パリ五輪代表選考で早田ひなはポイント争いのトップに立った。早田は「練習は不可能を可能にする」という言葉を信じてきた。世界卓球2023女子シングルス準々決勝では世界ランク3位の王芸迪に勝利し銅メダルを獲得した。中国人に勝ってのメダルは日本女子58年ぶりの快挙。この時点でパリ五輪シングルスの座を決定的にした。
伊藤美誠と平野美宇は13歳のとき史上最年少記録で国際大会に優勝し「みうみま」の呼び名がニュースになった。平野は卓球の激しさからハリケーンの異名がついた。伊藤は相手の強打をカウンターで打ち返す世界でも珍しいスマッシュの使い手で「みまパンチ」と言われる。小6のとき一緒にロンドン五輪を見に行った。
リオ五輪で代表になれたのは伊藤だけで平野は補欠メンバーだった。東京五輪シングルス代表選考では石川佳純に敗れ、平野は団体戦のメンバーになった。伊藤は東京五輪混合ダブルスで日本卓球界初の金メダルを獲得した。
パリ五輪の代表選考の基準は国内ランクに変わったが、平野は思いが空回りし選考会で8位となった。2度目の大会も振るわず14位に。母・真理子からの「14番目の女でしょ」という叱咤の言葉で火がつき、3度目の選考会では優勝を果たした。
伊藤は国内の選考大会と海外のツアーを行き来する中、ひらめきを大事にするためコートにコーチを呼ばず1人で戦うと決めた。5度目の選考会で平野に勝利し、シングルス2人目の代表争いに踏みとどまった。伊藤は決断しやすくなって頭で考えて決めることができるようになったと話した。
パリ五輪最後の選考会を前に、シングルスの争いは平野と伊藤2人の一騎打ちになった。運命が決まる全日本卓球選手権で伊藤は6回戦で格下の選手に敗れ、平野がシングルス代表の座を決めた。
張本美和は兄の張本智和と兄妹揃ってパリ五輪代表に内定した。166センチの長身を生かしたフォアハンドの威力が武器。小学生の全国大会ではすべての年代で優勝し、算数も全国1位だった。
張本美和には挑んでは跳ね返される黄金世代の壁があり、中でも早田ひなとの対戦は8戦全敗だった。兄・張本智和は、成長できる存在が中国以外で近くにいるのはいい影響を与えてくれると話した。2023年11月、張本は初めて早田に勝利した。張本は世界卓球のメンバーになった。
世界卓球2024ではパリ五輪を占う国別の団体戦が行われた。日本は過去4大会連続で銀メダル止まりで、あと一歩のところで中国に敗れてきた。早田は東京五輪の金メダリスト・陳夢に、平野は世界ランク2位の王芸迪に勝利した。あと一歩でまた銀メダルとなったが、メンバーは手応えも感じていた。
張本智和は不摂生が原因で2023年のアジア競技大会で左足を痛め、準々決勝で敗退した。張本は現状維持でも勝ててしまう自分に甘えていた、壁に挑む妹の姿を見て意識が変わったと話した。