- 出演者
- 田中直樹(ココリコ) 松坂慶子
オープニング映像。
大河ドラマは脚色を加えている部分があるが日本史の流れを感じることができる。田沼意次がカネにこだわる理由はコメコメコメの世の中にウンザリしていたから。その時代の様子が伝わってくるシーンが描かれているのは大河ドラマ第34作「八代将軍吉宗」。財政難の幕府の状況を立て直すために吉宗が行ったのは上げ米の制。大名から石高1万石につき100石の割合で米を上納させる代わりに参勤交代の負担をゆるめた。
米の価格が値上がりし日本橋の米問屋で打ち壊しが発生した。参加した人数は2000人近くと伝えられている。しかしその数年後、米が豊作で値段が下がってしまった。吉宗は米の価格を幕府で決めることにしたが前途多難だった。幕府や藩は年貢米を基礎にしていて幕府・大名・藩士は米を売って換金し生活費や運営費などに充てていた。
徳川家重の小姓を務めていた田沼意次はカネで世の中を回していこうと考えた。当時小判や貨幣はすでに流通していたがカネの手綱を握るのも簡単ではなかった。大河ドラマ第13作「元禄太平記」では幕府の禁断の経済対策を描いている。財政難だった幕府が打ち出したのは貨幣改鋳。元禄時代の貨幣改鋳で幕府は約500万両(現在価値に換算すると約5000億円)の収益を得たとされる。しかしこれが混乱の始まりだった。貨幣の価値が下がりインフレーションが起こってしまった。
大河ドラマ第64作「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は江戸が好景気に沸く時代を描く。政治の中心にいた田沼意次が手がけた経済政策は南鐐二朱銀。「朱」は金貨の単位で16朱で1両小判に値する。南鐐二朱銀は銀貨にもかかわらず金貨の単位の「朱」を用いたのがポイント。南鐐二朱銀8枚で小判1両に換算され計数貨幣としての銀貨となっている。田沼は株仲間を色んな業種で奨励して商売をさせる代わりに税金をもらうことに専念した。運上は営業活動に応じて支払う税金、冥加は幕府が営業を許す代わりに支払う献金。さらに田沼は蝦夷地の開発も構想していた。
「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」では幾多の困難に遭遇する姿が描かれた。浅間山の噴火で米価が高騰し、米の売買を自由にするお触れを打ち出すも効果は低かった。さらに田沼意次の息子・田沼意知が殺されるという悲劇もあった。
エンディング映像。