2023年12月4日放送 4:20 - 4:45 NHK総合

小さな旅
「島の絆 つむいで 〜兵庫県 坊勢島(ぼうぜじま)〜」

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(オープニング)
オープニング

エンディング映像。

(小さな旅)
島の絆 つむいで 〜兵庫県 坊勢島(ぼうぜじま)〜

播磨灘に浮かぶ家島諸島の坊勢島、2000人ほどが暮らすこの島。港の一角には週に2回、卵や果物を販売する。通称「たまご屋さん」と呼ばれるお店は島の暮らしの強い味方となっている。坊勢島は漁業の島で800隻の漁船が停泊する。生まれも育ちも坊勢島だという前田浩一郎さんに話を聞く。この島の漁船は舳先に家紋などが掘られているのだという。この時期の旬はシラス、播磨灘では身の締まったものが穫れると評判なのだという。夜明け前、港に前田さんがやってくる。この日は島の20キロ先に船を走らせる。シラス漁は2隻の船で網を引いていく。息を合わせ、シラスを引いていく。漁の開始から2時間、網を上げるとまずまずの漁のシラスを獲ることができた。前田さんは中学卒業後に漁師になったという。その頃、瀬戸内海では赤潮が多く発生し、前田さんのお父さんも大打撃を受けた。この結果前田さんは高校進学を断念し働き始めた。前田さんはその頃を振り返り「そういう運命だったのだ」と語った。想像以上に厳しく10キロ痩せたこともある漁の仕事、それでも続けられたのは小中学校の同級生の存在があるのだという。月に1度は集まるという前田さん達。坊勢島では強い結びつきを持つ仲間を兄弟分という。前田さんたちのつながりはいくつになっても変わらないのだという。壁にぶつかっていた前田さんを助けてくれたのも、こうした兄弟分の存在だったのだという。

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坊勢島では若い世代が島を離れ、人口がこの20年で4割も減った。こうした人口の減少は漁業にも影響を及ぼす。現在漁業にはインドネシアの若者がついている。24歳のウリル・アル・バブさんもその1人で、5年前に技能実習生としてこの島にやってきた。特定技能を取得した今も水産会社で働く彼は、日本語も魚を捌くのもお手の物になっている。お金をためて将来的にビジネスを立ち上げたいというウリルさん、現在は同じインドネシア出身の人達と共同生活をおくっている。ウリルさんはこの5年間、故郷には1度しか帰っていないのだという。そんなウリルさんを先輩漁師の妻たちが気にかけ、家を訪問してくれる。ウリルさんたちは彼女たちを「日本のお母さん」と慕う。ウリルさんは20歳の時、先輩漁師たちが買ってくれたスーツを着て成人式に出席したという。新たな人を迎え入れながら、島の営みは続いていく。港で少し変わった店を発見する。桟橋のような場所で運営するお魚屋さん、店内で食べることもできるのだという。観光客向けに作ったというお店、ここで働く鷲さんは以前は保険の営業マンをしていたのだという。きっかけは20年前に島でボートの大会に出場したこと。そこから毎年のように訪れ、どんどん島に惹かれていった。鷲さん夫婦は島の人達の温かさを感じたという。現在空き家だった家を譲り受け生活しているという。ある日、同世代の漁師が家に集まり食事を摂った。移住して間もなく1年、仲間も増えた。鷲さんは島の人達と兄弟分のようなつながりを作ろうとしている。鷲さんは「故郷はどこだと問われたら、坊勢島ですと言いたくなる」のだと語る。坊勢島は固い絆で結ばれ支え合って生きている。

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坊勢島
(エンディング)
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