- 出演者
- 奥谷龍太
オープニング映像。
台湾で民進党の頼清徳総統が就任して20日で1年。政権の1年を振り返り、台湾がどこへ向かうのかを展望する。頼総統は蔡英文前総統よりも中国に対して強く抵抗する姿勢が目立った。習近平指導部は台湾独立勢力への警告などとして圧力を強めている。頼清徳政権は軍事的圧力には非対称戦力の増強、浸透工作・世論工作には軍事裁判制度を復活させ軍人のスパイ案件の審理を行う、経済については“台湾系税の強靭性を高める”をスローガンに中国との経済関係に依存しない経済構造の構築を目指す。
一方、国際関係では他の民主主義の国との関係強化を掲げている。トランプ政権の相互関税の協議にも応じる構えで、トランプ政権は台湾について明確な方針を示していないが今のところ防衛力強化などの面で引き続き支援していくものとみられる。内政をみると、政権支持率が安定している反面、議会立法院での与野党の対立は激化する一方。国民党は政策ごとの協議よりも多数派という状況を活かして「政権運営を困難にさせることを優先している」と指摘されている。これに対し民進党支持者は大罷免と呼ばれる大規模なリコール運動を始めていて、国民党も応酬し全議員の4割が署名の対象となる事態となっている。
台湾に詳しい東京大学松田教授の調査によると、民進党の運動には多くのボランティアが参加し熱意を感じる一方、国民党側では支持者の中にも今の政治手法に疑問を持つ人が増えているという。発足から1年、外からは中国の圧力、内からは野党のゆさぶりに直面し頼清徳政権は正念場を迎えている。台湾社会が民主主義を発展させていくことができるかどうか、台湾の市民社会の強さが試されている。
エンディング映像。