- 出演者
- 石川一洋
オープニング映像。
石川一洋専門解説委員が「ロシア経済の低迷と軍の動向」について解説。ロシア経済が今年に入って低迷が明確に。ロシア経済発展省の発表でも今年の第1四半期はマイナス0.3%で3年ぶりのマイナス成長となった。PMI 購買担当者景気指数は50が景気の目安50を1年前から下回り、先月は48.8となっている。これまでサービス業は景気拡大傾向が続いていたが今年に入って50を下回り、先月は48.7となり消費も冷え込みはじめている。ブルームバーグによると財務省と中央銀行が現在の国防費の見込み額が政府の財政赤字を危険なほど増大させるとして軍事費の抑制を求めたとしている。ナビウリナ中央銀行総裁は「ロシア経済の唯一の資金源はロシア国民の貯蓄だ」。シルアノフ財務相も「お金を枕の下に置くな」と述べている。中央銀行とロシア政府は高金利を維持し露骨にロシア国民に預金するよう誘導している。ロシア国民のお金は9.2兆ルーブル。他の金融資産と合わせると12.4兆ルーブル。24兆円が家計から金融機関に流れ込んでいる。ロシア政府は国民の資金で戦争を支えようとしている。それに立ちはだかったのが国防省と軍。国防省には責任者だったベロウソフ国防相が任命されている。軍は軍事費削減に抵抗しただけでなく追加資金を要求。プーチン大統領は軍事費には手を付けずほかの支出の削減を財務当局に求めた。
注目ポイントはベロウソフ国防相の動向。2013年から7年間大統領の経済顧問を務め、2020年にミシュスチン内閣の第一副首相として経済政策の責任者となった。その後、2024年5月、国防相に異例の任命。国防予算が政府予算の30%を超えるロシアにおいて事実上第二の首相となるに等しく経済政策にも大きな影響力がある。大統領が与えた課題は3つ。ショイグ前国防相のもとの腐敗構造の一掃。この課題は就任早々ショイグ派の疑獄をあばき粛清という形で行われた。国防予算の無駄の削減と効率的運用。最後に重要なのが戦争で進む新たな軍事革命と長期戦に備えた軍の変革。ここにベロウソフ色が強く出ている。ロシア国防省機関紙「赤い星」によると、ベロウソフ国防相はロシア軍の視察を繰り返している。記事のタイトルは「最重要 小さな空を支配せよ」となっている。小さな空は攻撃用・迎撃用のドローンのことで統合運用することが強調されている。そして無人化システム軍が創設され技術系の学生の募集が行われた。月給は40万円以上。ベロウソフ国防相の戦争の変革は今後戦争が2~3年続いても持続できる体制を目指している。その一方、軍が疲弊すれば軍から停戦の可能性がある。
エンディング映像。
