- 出演者
- 渡邊佐和子 佐藤二朗 河合敦 杉野遥亮 板垣李光人
今回は徳川家康の4人の家臣を徹底調査する。
- キーワード
- 徳川家康
徳川家康の家臣において、特に功績が大きい4人にスポットを当てる。スタジオには「どうする家康」で榊原康政を演じる杉野遥亮、井伊直政を演じる板垣李光人が登場した。残る2人は4人の中で最年長にあたる酒井忠次、本多忠勝。
長篠の戦いにおいて、武田軍の騎馬隊に備えて馬防柵がつくられ、織田・徳川連合軍は火縄銃で迎撃した。徳川家康の忠臣、酒井忠次は武田軍の後方の砦を陥落させ、退路を断たれた敵軍を前方に進むように仕向けた。戦地の土地勘があった他、奇襲を成功させるために夜間に行軍していた。歴史書を紐解くと、豊田藤助なる人物がガイドを務めていたといい、地元の有力者だった。進撃した武田軍は火縄銃の射程距離に入り、次々と銃撃された。戦いは連合軍の圧勝に終わった。
酒井忠次が長篠の戦いで武田軍の後方の砦を陥落させなかった場合、戦いは長期化、もしくは連合軍が敗北していた可能性があるという。河合敦氏は「武田軍以外にも敵がいたことから、織田信長は戦いに乗り気で無かったと考えられる」と話す。酒井の功績を知った大森南朋は「撮影する前に見たかった」と述べた。
織田信長亡き後、徳川家康と羽柴秀吉は小牧・長久手の戦いで相見えた。榊原康政は城の周囲に8mの土塁を築かせ、そこを乗り越えた先には高さ8mの土壁が待ち構えていた。記録によると、入城してから完成させるまでわずか5日程度だったといい、土の頑丈さよりも見た目のプレッシャーを重視した。攻めあぐねた秀吉は別働隊を編成し、三河の本国に進軍させた。だが、家康は9000人の兵を率いて撃破し、本多忠勝は500の兵で秀吉軍を攻撃した。この時、秀吉は反撃しなかったという。小牧・長久手の戦いから遡ること12年、徳川家康と武田信玄は戦うも、徳川軍3000に対して、武田軍は20000。家康は退却を開始し、本多忠勝は300しかない手勢で時間稼ぎをすることに。まず、武田軍の進行ルートに放火し、迂回を余儀なくさせた。さらに狭い一本道で待ち伏せを行い、家康は帰城できた。本多忠勝は武勇、知略に優れると、秀吉が脅威と捉えていたとしてもおかしくない。小牧・長久手の戦いは事実上の引き分けに終わった。
榊原康政は小牧・長久手の戦いにおいて、居城の強化に加え、「信長公のおかげで武将になれたのに大恩を忘れ、織田家に兵を向ける。人道から外れた者」と秀吉を指弾して味方の士気を上げたという。秀吉は織田信長の子息の1人と対立し、死に追いやっていた。佐藤二朗から見て、榊原を演じる杉野遥亮は勉強熱心だといい、「こういうところで勉強できた方がお得」と語った。武勇に加えて知略も備えていたとされる本多忠勝について、大河ドラマで本多を演じる山田裕貴は57度の戦でかすり傷負わなかったというのも納得だという。
本能寺の変で織田信長が斃れると、甲斐や信濃では内乱が勃発した。この機に乗じて領地拡大を図ったのが徳川、北条氏だった。その後、戦いは膠着状態に陥り、和睦に向けた交渉がスタートした。徳川方の責任者、井伊直政は5つの条件を提示し、のませることに成功。黒田基樹教授は「22歳くらいで成し遂げるのが直政の凄さ」などと語った。さらに関ヶ原の戦いが始まる2年前から、直政は多くの大名を味方につけようと工作していた。黒田長政を味方につければ、多くの大名がついてくると考え、多くの書状を送った。贈答品の他、時には書状に家康への愚痴も綴ることで胸襟を開いていた。味方についた長政は毛利一族の調略に成功し、家康は関ヶ原の戦いで勝利を収めた。直政は家康から「幕府開国の功労者」と評された。
板垣李光人は井伊直政の人心掌握術が勉強になったといい、河合敦氏は「秀吉の母親が人質として家康のところに来た際、井伊直政だけはにこやかにお菓子を出したりしていた。秀吉の母親に気に入られてしまった」と語った。板垣は「すごい家臣たちが集まる家康っていう人間の素晴らしさもあった」と感じたという。
「歴史探偵」の次回予告。