- 出演者
- 佐藤二朗 片山千恵子 河合敦 宮崎あおい 中島歩
大河ドラマ「豊臣兄弟!」で浅井長政、市を演じる中島歩、宮崎あおいが登場。中島は長政役を全うしたことで、俳優としての糧になったという。織田信長は上洛にあたって、浅井長政を味方に引き入れたかった。政略結婚のため、信長の妹である市が嫁ぐこととなった。
和歌山の高野山で平安時代に創建された寺には市、浅井長政の肖像画が所蔵されている。市は聡明で天下一の美女と謳われたという。浅井長政の出身は今の滋賀で、琵琶湖の恩恵を受けて豊かな国だった。長政はこぶりな和りんごが好物だったといい、領民から贈られて感激したという書状が残っている。これまで、市と長政の政略結婚は織田信長が持ちかけたと考えられてきたが、史料によると、長政がアプローチしたという。戦国時代を研究する小和田哲男名誉教授は「六角氏と手を切り、信長の力を借りることで領土を広げたい」といった野心があったと推測する。信長には女きょうだいが10人以上いたなか、「豊臣兄弟」で時代考証を務める黒田基樹氏は「最後に残っていたのが市」と説明。お犬の方を水軍を有する佐治家に嫁がせ、信長は軍事力を高めていた。また、毎月約1000万円をお市の方に送り、情報収集など諜報活動に使われていたという。清水克行氏は「姫たちは戦国時代の情報戦の主人公だった」と話す。
河合敦氏は「戦国時代の結婚はきわめて政治的。大名によっては家臣の結婚まで決めていた」と説明。家康の嫡男、松平信康は信長の娘である徳姫と結婚した。徳姫は信康、義母の築山殿が武田家と内通していると信長にリークし、家康は嫡男を殺害した。
浅井長政と市は標高400mの小谷城で暮らしていたといい、発掘調査によると、山城に建てられた御殿としては屈指の規模だったという。清水克行氏は「市のバックに織田家という存在があるため、邪険に扱われることは決してない」と語る。結婚から2年後、市は長女の茶々を出産。市は子どものため、嫁ぎ先である浅井家をバックアップすることとなった。
浅井長政と市が暮らしていた小谷城から、バンドコが出土した。中に炭を入れ、布団に入れて使ったという。長政は織田信長の他、朝倉義景と同盟関係にあり、信長を打倒しようとする。
「豊臣兄弟!」で市は小豆袋を織田信長のもとへ送った。だが、時代考証を務める黒田基樹氏によると、戦端が開かれると、姫と実家とのやり取りは禁止される。市は兄と夫の戦いをみているしかなかった。信長は挟撃の危機を回避し、撤退に成功。1570年、姉川の戦いで朝倉・浅井の連合軍を撃破する。長政は何故、朝倉義景と手を組んだのか。小和田名誉教授によると、長政は信長と対等な同盟関係を結んだ意識があった。だが、信長は六角氏の領地を自らの勢力圏とし、長政に与えることもなかった。長政からすれば、おもしろくないという。市は長政から離縁されることはなく、屋敷の周辺には敵が侵入してこないよう堀が築かれていた。姉川の戦いから3年後、市は三女を出産。同年、織田軍が総攻撃をかけ、小谷城は落城した。長政は市と娘たちを信長のもとに送り届け、自刃する。9年後、市は柴田勝家と再婚するも、翌年に秀吉によって攻められて命を落とした。市の長女、茶々はのちに豊臣秀吉の側室となる。
宮崎あおいは浅井長政を1人で逝かせてしまったことに市は罪悪感を抱いていたと考えるという。一方、市は亡夫のことを娘たちに伝えていたはずだという。長女の茶々は秀吉の側室となり、秀頼を出産。長政を演じた中島歩は「長政、市の思いを体現できたのかもしれない」と語った。
「歴史探偵」の次回予告。
